パパ半育休からの時短なう

育休を取りながら一部働く、半育休とはなんぞや?なブログです。

半育休だと普通の育休に比べて収入がどれくらい上がるのか

こんにちは。橋本です。

 

以前、育休中のメイン収入源である育児休業給付金がどれくらいの金額になるかというエントリを書きました。

 

ysck-hashimoto.hateblo.jp

 

今回は、この内容にプラスして、半育休(育休を取りながら働く)だったら収入はどうなるか?というのを、具体例も出しながら説明したいと思います。

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半育休中の収入内訳

半育休では、育児休業を取得して育児休業給付金(以下、給付金)を受け取りつつ、通常より短い時間働いて、その分の給与も得る、というスタイルになります。

 

給付金は、育休前6ヶ月の額面給与を平均したものを基準にして、それを67%(2/3)とか50%(1/2)に割り引いた金額が給付されます。

割引率が67%か50%かは、育休が始まってからの期間によります。育休開始後半年までは67%で、半年以降は50%になります。

 

給与は、詳細は会社ごとに異なるかと思いますが、働いた時間に応じた金額が支給されるケースが多いでしょう。

 

給付金プラス給与ということで、場合によっては普通に働いているときよりも収入が増えたりするんじゃないか?と思うかもしれませんが、さすがにそういうことはなく、

 

・給付金がもらえる条件は、働く時間が「月80時間まで」

・給付金+給与の金額合計が育休前額面給与の80%を超えないように給付金が調整される

 

という仕組みになっています。

 

具体的な例で半育休の場合の収入を見てみる

 

イメージがわきやすいよう、具体的な例で説明します。

 

(1)育児休業給付金の金額

例えば、2017年1月から育休に入ったとして、その前6ヶ月の給与収入がこんな感じだったとします。

 

表1:育休前の収入

額面金額 手取り金額
2016年7月 340,000 270,000
2016年8月 350,000 280,000
2016年9月 335,000 265,000
2016年10月 355,000 285,000
2016年11月 330,000 265,000
2016年12月 345,000 280,000
平均 342,500 274,167

 

 

額面金額は給与金額+各種手当を足したもの、手取り金額はそこから税金など控除金額を差し引いたものです。内訳のイメージとしてはこんな感じです。

 

あとで育休中の控除はどうなるかも関係してくるので、なんとなくでいいのでイメージしていただければ。

 

表2:収入内訳

項目 金額 合計
基本給 300,000 340,000
(①額面金額)
残業代 10,000
住宅手当 20,000
通勤手当
(※定期代を按分、など)
10,000
健康保険料 15,000 70,000
(③控除金額)
厚生年金保険料 28,000
雇用保険料 1,000
所得税 6,000
住民税 20,000
③手取り給与(① - ②) 270,000


さて、表1のような給与の場合の給付金の金額はこうなります(細かい計算は割愛)。
 

表3:給付金の金額

育児休業給付金金額
育休開始後半年以内(67%) 229,461
育休開始後半年以降(50%) 171,240

(2)給与の収入をプラスする

そして、この育休期間中に会社で働いて、その給与が仮に15時間働いて40,000円だったとしましょう。

 

そうすると、収入は給付金+給与でこうなります。

 

表4:給付金+40,000円の給与収入

育児休業給付金金額 給与収入 合計
育休開始後半年以内(67%) 229,461 40,000 269,461
育休開始後半年以降(50%) 171,240 40,000 211,240

 

半育休だと、社会保険料と健康保険料、所得税が免除されるので、ここから差し引かれるのは住民税と雇用保険のみ*1。仮に合計で20,000円とすると、手取りはこんな感じです。

 

表5:控除後の手取り収入

給付金+給与収入合計 控除金額 手取り収入
269,461 20,000 249,461
211,240 20,000 191,240

 

ちなみにこの手取り金額を、育休前の手取り金額平均(表1を参照)と比較してみるとこんな感じ。

 

表6:手取り収入の比較

手取り収入 育休前手取り収入平均 割合
育休開始後半年以内(67%) 249,461 274,167 91%
育休開始後半年以降(50%) 191,240 274,167 70%

 

まああくまでサンプルの給与明細なので、ざっくりイメージではありますが、

 

半育休の収入を育休前と手取りベースで比べると、それほど下がらない(はず)

 

ということはわかるかと思います。

 

育児休業給付金に調整がかかる場合

 

次は給付金に調整がかかるケース。給付金+給与収入が、育休前の額面給与の80%を超える場合です。

 

たとえば、育休期間内に会社で働き、その給与が仮に、30時間働いて70,000円だったとしましょう。

 

この金額を給付金と合計するとこうなります。説明をわかりやすくするため、上段の、育休開始後半年以内のほう(給付金の率が67%)を例にします。

 

表7:給付金+70,000円の給与収入

育児休業給付金 給与収入 合計
229,461 70,000 299,461

 

まあまあの金額になりますが、前述した給付金+給与収入の金額上限を見てみるとこうなります。

 

表8:育児休業給付金の上限金額つき

育児休業給付金 給与収入 合計 上限金額
(育休前額面平均の80%)
229,461 70,000 299,461 273,984

 

この上限金額は、育休前額面平均金額の80%。

 

給付金+給与収入の金額が上限金額を超えているので、給付金と給与収入の合計が上限金額と等しくなるよう、給付金に調整が入ります。

 

表9:給付金+70,000円の給与収入(給付金に調整)

育児休業給付金
(調整後)
給与収入 合計 上限金額
(育休前額面平均の80%)
203,984 70,000 273,984 273,984

 

というわけで、単純に、給付金がもらえる上限80時間のMAXまで働いて給与をもらっても、そのぶん収入が上がるわけではないわけです。

 

最初の例と同様、住民税・雇用保険の控除金額を20,000円として手取りの金額を見るとこんな感じです。

 

表10:控除後の手取り収入

育児休業給付金
(調整後)
給与収入 控除金額 手取り収入
203,984 70,000 20,000 253,984

 

そしてこれを育休前の手取り収入と比較してみるとこんな感じになります。

 

表11:手取り収入の比較

育児休業給付金
(調整後)
育休前
手取り収入平均
割合
253,984 274,167 93%

 

あくまでサンプルデータではありますが、半育休である程度給与収入があると、育休前に比べて収入はそれほど下がらない、というのがわかるかと思います。

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半育休の注意点

これまで見たとおり、半育休で育休中も仕事をすると、収入の面では、だいぶダウンの幅を抑えられます。

ただし、注意点もあります。僕が重要だと思うのは以下の3点。

 

(1)育休開始直後から毎月支給されるわけではない

しかし、家計管理の面では注意が必要です。給付金は通常、2ヶ月に一回の支給*2。しかも初回の支給は育休開始から2ヶ月後なので、育休開始直後に限って見れば、収入は間違いなく下がります。

 

言うまでもなく、子どもが生まれるといろいろと出費もかさむので、育休が始まる前からある程度蓄えを持っておいたほうがよいでしょう。

 

(2)半育休で働く時間を都合よく増やせるとは限らない

現状の育児休業の制度だと、育休中の就労はある程度限定的な条件でのみOKとされています。具体的には、突発的な業務や、属人的でどうしても当人が対応しなければならないものなど。

 

なので、業務によっては、そもそも育休中に仕事をするのが難しい、となる場合もあります。会社としっかり話し合っておく必要があるでしょう。

 

(3)半育休もあくまで育児がメイン!

最後に一番重要な点は、半育休も育児休業中であり、あくまでメインは家事・育児だということです。

 

せっかく育休をとって子どもとパートナーに寄り添う機会なのに、収入を気にして仕事にばかり気を取られていては本末転倒。

何に重きを置くか、しっかり考えて、育休を意味のあるものにすることが大事だと思います。

 

さいごに

 

だいぶ長くなってしまいましたが、僕個人としては、もっともっと男性の育休が普及して欲しいと思っています。

 

しかし育休中の収入ってどうなるの?というのはなかなかイメージがわきづらいもの。収入面の不安で育休を取る決断をなかなかできない、という人もいるでしょう。

この記事がそういった人の不安を払拭する材料になれば何よりです。

 

ではでは!

 

■そもそも半育休って何?という方はこちらもどうぞ

ysck-hashimoto.hateblo.jp

 

■Twitterもやってます

twitter.com

*1:住民税は前年度の所得をもとに金額が決まりますが、育児休業給付金はその際の所得から控除されるので、翌年度の住民税がだいぶ下がります。

*2:申請を毎月行えば、1ヶ月ごとで支給されるらしいのですが、その申請を行うのは人事担当なので、実現したければ調整が必要です。2ヶ月に1回では厳しい、ということであれば相談してみるのがよいと思います。

キャリアの「裁定取引」とNPOへの転職

こんにちは。橋本です。

 

毎晩、7ヶ月の息子にミルクを飲ませて寝かしつけしているのですが、部屋を暗くしているので、スマホを見ていると目が疲れる。そこで、iPhoneのNight Shiftという、ディスプレイの色味を目に優しくする機能を使っています。

 

先日何気なく、そのことをツイートしたんです。

 

 

 

そしたら我らがボス駒崎氏がこれをリツイートしまして。

 

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おや、と思いました。わざわざリツイートするということは、もしかするとこの機能のことを知らないのかなと。*1

 

何気なくしたツイートでしたが、ボス駒崎氏に限らず、意外に知られてないのかも?

 

このNight Shiftという機能、iPhoneに搭載されたのは2016年の3月。リリースされたときは、それなりにネット上で話題になった、と僕は認識していました。

 

でもその認識はたぶん少し間違っていました。話題になっていたのは、僕がいつもネットで見ている人たちの中で、だったのです。

 

僕はiPhoneやMacの使いこなし系のブログなんかをよく読みます。Appleの発表会や新しいOSの機能なんかも、そういったブログを見てなんとなくキャッチアップしています(ほんとになんとなくですが)。

 

自然と、TwitterやFacebookのタイムラインにはそういった情報が並びます。そうすると無意識に「みんなこれを見ている」と感じてしまう。自分が知っていることは、みんな知っている……そう感じてしまうわけです。

 

しかし実態はどうかというと、「iPhoneは持っているけど、Appleの発表会なんて知らないし、細かい機能もそれほど興味ない」くらいの人が多数派なんですよね。

 

あるコミュニティでは「普通」なことが、別のコミュニティでは「え!そんなものがあったの!」と歓迎される。

そういうことって、意外と身近にありますよね。

 

それって、自分のスキルや知識をどう仕事の中で活かすか、ということともつながっていると思うのです。

 

例えば僕は新卒で金融系のITベンダーに就職しました。いわゆるSEです。お客さんと話して要件定義し、仕様に落とし込んで……みたいなことをやっていました。

それなりにまじめに働いてはいましたが、たぶんSEとしてのスキルは、良く言っても「中の中の上」くらいだったと思います。偏差値で言ったら、52くらい。

 

では、その偏差値52のスキルをもってNPOに転職するとどうなるか?

一言でいうと、めちゃくちゃレバレッジがかかります

 

システム開発という、それまでその組織に足りていなかったスキルによって、ぐっと事業・組織全体のパフォーマンスが上がるわけです。たとえそれが、ITベンダー業界では偏差値52くらいの、たいしたことがないレベルでも。

 

これって、金融取引の裁定取引(アービトラージ)みたいだなと思うんです。

裁定取引というのは、ある同じモノが、ある市場と別の市場で価格が異なり、安い市場で買って、高い市場で売れば利益が出る、というもの。*2

 

あるいは古本の「せどり」。古本屋で安く売られている本を買って、Amazonマーケットプレイスやメルカリで高く売る、というような。

 

システム開発というスキルは、ITベンダー業界では、ほぼ全プレイヤーがそのスキルを標準装備しています。言ってみれば、市場における価格が安い(価値が低い)ということです。そのため、付加価値を出すためにはプラスアルファで何かスキルや知識を身に着けなければなりません。

 

しかしそのスキルは、ソーシャルセクターという市場では非常に価値の高いものとなります。ITベンダー業界で価値の低かったものが、別の市場でぐっと価値が高くなる。

その、価値の差を使って、事業に大きなレバレッジをかけ、結果的に社会に生み出す価値をぐんと高めることができるわけです。

 

これ、すごく良いんですよね。

 

もちろん、事業そのものの魅力もあります。前職は金融系の開発をしていましたが、正直なところ、金融業界自体があまり好きになれず、つらいわーと思いながら仕事をしていました。

 

それが、今は「こういう事業が世の中に必要だ!」という信念のもと転職した場所で働いているわけですから、社会にもたらす価値に対するモチベーション、そして仕事に対する充実度が全然違います。



この「裁定取引的なキャリア」は、「システム開発」というスキルにとどまりません。営業、経理、人事、法務など、それなりの専門性が中核となっている職種に共通していることです。

転職先の市場も、ソーシャルセクターに限らず、人材不足の中小企業やスタートアップでも同じだと思います。

 

「自分の仕事ってこのままでいいのかな」って思うことって多いじゃないですか。

 

就職して数年経ち、仕事には慣れたけど、自分にとってずっと同じ仕事を続けることが幸せなのか悩み始めた、とか。

結婚して子どもができて、今までは考えもしなかった「自分が死んだ後の社会」のことを考えるようになった、とか。

今の会社ではそれなりに成果を出して評価もされているけれど、ふと振り返って、その成果が社会にどう還元されたのか考えたら、うまく説明できなかった、とか。



そんな人には、ぜひ、自分が魅力に思える市場で、自分の持っているスキルが高い価値を発揮できないか?裁定取引できないか?ということを考えてみてほしいです。

 

きっとあなたのことを待っている市場があります。

 

ソーシャルセクターへの転職はDRIVE!とかWantedlyなんかで探すとよいと思います。

 

drive.media

 

www.wantedly.com

 

あ、僕が働いているフローレンスも求人いっぱいありますので、こちらもぜひ(笑)

 

florence.or.jp

*1:後日聞いたら「知ってはいるけど、よく忘れちゃうんだよね―」とのことでした。「知らないのかな」とか言ってダシに使ってすみません・・・\(^o^)/

*2:たぶん実際は裁定取引のポイントは「一時的な価格の差を見逃さず利ざやを稼ぐ」みたいなところだと思うので、厳密には違うと思うのですが、細かいところは目をつむっていただきたく・・・

育休中はどれくらい収入が下がるのか?育児休業給付金と手取り月給を比較

 

こんにちは。4月で育休が終わり、5月からぬるっと復帰した橋本です。

1月の半ば(13日)から4月末までの育児休業期間だったのですが、先日ようやく、初めての育児休業給付金が振り込まれました!

2ヶ月分、1月13日〜3月12日の分の給付金の振込が4月21日。少し期間を置いての給付となります。

金額については、あらかじめハローワークのサイトなどを見ていて計算式をなんとなく知ってはいたものの、実際に給付金が入って、改めて自分で確認してみたりしました。

 

そこで今回は、育児休業給付金の金額がどのように算出されるのかと、それが、育休前の手取り給与金額と比べてどれくらいなのかを解説します。

「育休は取りたいけど、どれくらい収入が変わるのかよくわからない……」という方も、おそらくけっこう多いのではないでしょうか。そういった方の不安を取り除く材料になれば幸いです。

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育児休業給付金のざっくり計算式を理解する

まずは育児休業給付金のおおよその計算式を理解しましょう。

 

ざっくり説明すると、育児休業給付金のひと月あたりの金額は、

育休開始から半年 → 直近6ヶ月の給与額面金額の平均を2/3(67%)にしたもの

育休開始から半年以降 → 直近6ヶ月の給与額面金額の平均を1/2(50%)にしたもの

という感じです。育休の期間によって金額が変わります。

 

「6ヶ月の平均」というのは厳密には計算がちょっと違うのですが、それほど重要な点ではないです。脚注にもう少し詳しい式を書いておいたので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。*1

金額計算のポイントは、手取りではなく、額面の金額を基準にして計算するという点です。

具体的に、例を使って説明したほうがわかりやすいので、仮の給与明細をもとに解説してみます。

給付金は給与額面の金額を基準にして計算する

多くの会社では、月給から社会保険料や所得税・住民税が天引きされますよね。育児休業給付金が「給与額面金額を基準に計算する」ということは、そういったもろもろの天引き前の金額(=額面金額)を元にして計算するということです。

例として、以下のような給与明細があったとします。
(あくまでサンプルです。社会保険料などは仮でキリのいい金額を入れているので正確ではないです。)

 

表1:サンプル給与明細 

項目

金額

合計

基本給

300,000

340,000

(①額面金額)

残業代

10,000

住宅手当

20,000

通勤手当

(※定期代を按分など)

10,000

健康保険料

15,000

70,000

(③控除金額)

厚生年金保険料

28,000

雇用保険料

1,000

所得税

6,000

住民税

20,000

③手取り収入(① - ②)

270,000

 

給与明細の額面上は、基本給に残業代、住宅手当などが加算され、会社から従業員に支払われる金額が決まります。これが額面金額(①)です。

しかし、その全額が従業員の手元にやってくるわけではありません。

健康保険・厚生年金保険といった社会保険料、所得税や住民税といった税金が、給与支払いのタイミングで控除(減算)されます。控除後の金額が手取り収入(③)です。

育児休業給付金は、額面金額をもとに計算します。上の例で言うと、③の270,000円ではなく、①の340,000円をもとに計算するということです。

 

例えば、2017年1月から育休に入ったとしましょう。直近6ヶ月の①額面金額と③手取りが、以下の表の通りだったとします。(金額の増減は、残業代で変わっている、という感じ)

 

表2:直近6ヶ月額面・手取りサンプル

額面金額

手取り金額

2016年7月

340,000

270,000

2016年8月

350,000

280,000

2016年9月

335,000

265,000

2016年10月

355,000

285,000

2016年11月

330,000

260,000

2016年12月

345,000

275,000

ここから給付金を計算してみます。

 

育児休業給付金の算出式で、額面金額のひと月あたりの平均を出すと、

342,480円

となります。

 

この金額に、育休が始まってからの期間によって、一定の料率をかけ、実際の給付金金額は以下のようになります。

 

表3:育児休業給付金金額

育児休業給付金金額

育休開始から半年(67%)

232,886

育休開始から半年以降(50%)

171,240

 

給付金をもとにした「手取り収入」はどれくらいか?

さて、ここまでで、育児休業給付金の金額はわかりました。

次に、育休中の収入のイメージをより具体的にするため、この給付金金額がそのまま手取りになるのか?ということを考えてみましょう。

先ほどの給与明細を思い出すと、給与額面金額に対して、税金や社会保険料の天引きがありました。

 

再掲:表1:サンプル給与明細 

項目

金額

合計

基本給

300,000

340,000

(①額面金額)

残業代

10,000

住宅手当

20,000

通勤手当

(※定期代を按分など)

10,000

健康保険料

15,000

70,000

(③控除金額)

厚生年金保険料

28,000

雇用保険料

1,000

所得税

6,000

住民税

20,000

③手取り収入(① - ②)

270,000

 
育児休業給付金は①額面金額、つまり天引き前の金額を元にしています。

であれば、そこからまた天引きされるのか?と思うかもしれません。

 

しかし、そうではないのです。ここがもうひとつの重要ポイント。

育休中は、社会保険料は支払いが免除され*2、さらに育児休業給付金は、非課税なのです。ですので保険料はかからず、所得税もかかりません。

住民税については、前年度分の住民税を1年通して支払っているので、育休中も支払いは続きます。ただし、翌年の住民税計算時には、育児休業給付金は所得として計算されません。

計算は世帯単位・年単位なので、単純に翌年度の住民税がゼロになるわけではないですが、だいぶ金額としては減るでしょう。

 

というわけで、先ほど計算した育児休業給付金をもとに、給与明細風に収入を表にしてみるとこうなります。

 

表4:育児休業給付金をもとにした手取り収入

項目

金額

合計

育児休業給付金

232,886

232,886

健康保険料

0

20,000

(控除金額)

厚生年金保険料

0

雇用保険料

0

所得税

0

住民税

20,000

手取り収入

212,886

 

育児休業給付金を、育休前の手取り給与額と比べてみる

さて、ここまでくれば、だいぶ「どれくらい収入が変わるのか」がイメージできたのではないでしょうか。

計算した、育休中の手取り収入金額を、手取り給与の平均と比べてみましょう。

先ほどの表をもとにしてみます。

 

再掲:表2:直近6ヶ月サンプル

額面金額

手取り金額

2016年7月

340,000

270,000

2016年8月

350,000

280,000

2016年9月

335,000

265,000

2016年10月

355,000

285,000

2016年11月

330,000

260,000

2016年12月

345,000

275,000

 

この表をもとに、2016年7月〜2016年12月の手取り金額の平均を出すと、

272,500円

となります。

育休前の手取りの平均と、育休中の手取り(給付金 - 住民税)の金額を比べると、こんな感じになります。

 

表5:育児休業給付金と手取り給与額の比較 

 

金額

育休前手取り平均給与に対する割合

育児休業給付金月額(育休開始から半年)

212,886

78.12%

育児休業給付金月額(育休開始から半年以降)

151,240

55.50%

育休前手取り給与平均

272,500

100.00%

 

社会保険料率などは基本給等の金額によって変わるので、「育休前手取り給与平均に対する割合」を一律にこれくらい、とは言えませんが、手取りで考えると給付金の計算式の「67%」「50%」よりは高い金額になるということはわかるかと思います。

 

さいごに:まとめと、育休中の収入が不安な方へ

今回のポイントをまとめるとこんな感じです。

  • 育児休業給付金は、給与の額面金額をもとに算出する
  • 育休中は社会保険料は免除され、育児休業給付金は非課税
  • 手取り収入で育休前と育休中の収入を比べてみることが大事

最初にも書きましたが、この記事の目的としては、「育休取りたいんだけど、収入がどれくらい変わるのかいまいちわからない」という方の不安を取り除くということ。

読んで、育休中の収入のイメージがクリアになったということであれば、うれしいです。

 

なんだかんだいっても、育休に入れば収入は下がります。

でも、具体的にどのようになるのか、あらかじめイメージできていれば、貯金を確認したり、生活費の見直しをしたりと、暮らし方を変えよう、ということを考えたりもできますよね。

育休取得を考えている方は、ぜひ今回の記事を参考に、自分が育休を取得したときの給付金がどのようになるか、計算してみることをおすすめします。

 

 

・・・と、ここまで書いたのは、あくまで育児休業中にいっさい働かなかった場合の話。

育休を取りながら働く、半育休だと、給付金に加えて会社からの給与も入ってくるので、収入は増えます。

もちろんあくまで育休中なので、フルタイム時のようには働けませんが、それでも給付金と給与が両方もらえるのはとてもありがたいです。

現在の制度では、誰でも、どんな仕事でもできることではないのですが、育児と仕事の両立の選択肢のひとつとして非常に有効な方法です。

そんなわけで、次回は、「半育休だと、育児休業中の収入はどうなるのか?」をまとめてみたいと思います。乞うご期待。

 

※そもそも「半育休ってなに?」という方はこちらの記事をどうぞ。

ysck-hashimoto.hateblo.jp

 

※参考:ハローワークインターネットサービス - 雇用継続給付

 

2017/05/22追記

育児休業給付金の料率(67% or 50%)について、「子どもが生まれてから半年」かどうかで決まる、という書き方でしたが、正しくは「育休が始まってから半年以内と、それ以降」でした。記事訂正しました。

*1:育児休業給付金の金額は、「賃金日額」×休業日数となります。「賃金日額」は、直近6ヶ月の給与額面金額を足し合わせ、180で割った数になります。便宜的に「半年=180日」として計算しているという感じです。一ヶ月未満の育休の場合も、休業日数に応じた給付金が給付されます。今回は「手取りの月給と比較して考える」というのがポイントなので、本文中ではひと月単位で説明しています。より正確に知りたい方はハローワークのページをご覧ください。

*2:ただし育休期間中に就労した場合は、雇用保険料は徴収されます。また育休中に「週1回、月曜は定例会議に出社」のような働き方で、定期的に就労しているとみなされた場合、社会保険料は免除にならない場合もあります

3ヶ月半の育休から復帰して時短勤務になります

こんにちは。赤ちゃんがぐずるとすぐバランスボールで跳ねるのが習慣になった橋本です。

 

さて、2017年1月半ばから始まった育児休業ですが、4月30日をもって3ヶ月半の期間を終了しました。今振り返ると、もうちょっとがんばってこまめに育休レポ書いとけよという感じではあるのですが、まあそこはおいておいて、やっとこさではありますが、ざっくりした「3ヶ月半の育休を取ってどうだったか?」を書いてみようと思います。

(1)奥さんが元気

なんだかんだ言って一番よかったなと思うのは、自分が育休を取ったことで、奥さんが出産後わりと速く元気になったということです。

産後しばらくはとにかく母体回復が大事なので、授乳や赤ちゃんの世話以外の大部分は僕がやり、奥さんにはなるべく休んでもらうことで(そこまでのレベルだったのは最初の1-2週間でしたが)、わりと順調に奥さんの身体が回復したように思います。そもそも二人目でもろもろ慣れていたり、お産も短め、会陰切開もなかったので回復も速い、とかもあるんですけど。

特に思うのは、上の子の産後のときよりも笑顔が多くなって、活動的になっているなあと。3月にマドレボニータの産後ケアプログラム(1ヶ月のやつ)に参加したことも大きいと思うのですが、ママ向けのヨガに行ってみたり、産後ケアについて勉強してみたり、さらにはNECワーキングマザーサロン*1というサロン運営に参加しようとしてみたり、「いま」だけではなく「これから」を見ていろんな活動を(育児をしながら)しています。見ていて「いいじゃんいいじゃん!」という感じ。

そういったことに関して「君が育休を取って家にいてくれたから、気が楽になっていろいろできた」という旨のことを言ってもらったりして*2、とりあえずそれだけでも「育休取ってよかった」と思いました。

家事育児のタスクの分担、みたいなオペレーション的なところは、現時点で純粋に50:50になっているかは微妙ですし、夜間授乳は胸の張りの問題などもあってほとんど奥さんがやっているなど、「もうちょっとがんばったほうがよいのかな?」という気持ちになった時期もあったのですが、元気に活動する奥さんを見ているうちに、そういうオペレーショナルな部分は本質ではなくて、それぞれの家族なりに納得感と心の余裕が得られるようになることが大事なのかなと思うようになりました。

(2)赤ちゃんが大好きになった

乳児の育児はそれなりに大変ですが、それでも、上の子が保育園に行っている間は、多少は心に余裕もできます。奥さんと自分、2人で赤ちゃんを見ていると日々変わっていくその様子にだんだん惹き込まれていきます。

「顔のここのとこは上の子と似てるよね」「こういう表情はそっくり」「かわいいねえ」「うん、かわいい」みたいな会話だったり、なかなかうんちが出ないね、大丈夫かな…という相談だったり、オムツ替えでおしっこをひっかけられたのを2人で笑ったり、そういうプロセスや気持ちを奥さんと共有して育児をしてきて、生まれたときよりずっと、赤ちゃんが好きになったなあと感じます。ラブリー。

(3)上の子(3歳)がより大好きになった

振り返ってみるとこれもけっこう大きい気がします。

育休に限ったことではないですが、子どもが1人から2人になると、奥さんと「こっちは任せろ!そっちは頼んだ!」みたいなシーンも増え、上の子と2人で行動することが増えました。

出産直後は、保育園への送り迎えどちらもやって、帰りは必ず公園に行って1時間くらい遊んで…というのを1ヶ月くらいやっていたので、育休前から関係は良かったですが、ますますばっちり仲良しになれたように思います。

他にも、関西であった友人の結婚式に、泊りがけで上の子と2人で出席し、父娘水入らず(?)で過ごすというプチチャレンジもしましたが、普通に楽しく過ごすことができました。

2人で過ごすことが増えて、上の子との関係により自信が持てるようになったし、これまでに増して大好きになりました。ラブリー。

 

 

というわけで、振り返りとしては、「家族の笑顔が増えて、家族が大好きになって、幸福度が増した」という感じです。

もちろん育児は大変なこともあるし、僕も奥さんも危うくプッツンしそうになったりしちゃったり、肩こりや疲労でげっそりしたりもあり、万事順風満帆というわけではありませんが、育休を取ってよかったのは間違いないです。

 

そして時短勤務へ

そして、5月1日からめでたく職場復帰するわけですが、いろいろ考えた結果、しばらくは時短勤務にすることにしました。

具体的には、9:00〜18:00が定時のところを、9:00〜17:00の1時間時短です。理由としては、夕方〜夜の家庭のオペレーションが、いきなり奥さん1人になるのはつらいだろうというところ。夕食をとり始める18時をめどに帰宅できるよう、1〜2ヶ月は、7時間勤務というかたちにすることにしました。

とはいえ、もちろん7時間勤務なら収入は7/8になるわけで、長期的にはフルタイムに戻そうと思っていますが、いきなりそこにいくのではなく、少しずつ生活を慣らして、グラデーション的に変えていければという感じです。

今後もブログはちょこちょこやっていこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!

 

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*1:詳細はこちら:NEC ワーキングマザーサロン・プロジェクト。ちなみに「ワーキングマザー」サロンという名前ですが、「母となって働く」について対話するワークショップで、このテーマに感心ある女性なら誰でも参加でき、専業主婦でも独身女性でも学生でも参加OKなのだそうです。

*2:もしかしたら全然違う意図の発言を僕が曲解してる可能性もゼロではないですが、その可能性は検証しない方針です

時短勤務社員がパフォーマンスをフルに発揮できる職場環境とは

こんにちは。年度をまたぎました橋本です。

先日ネットサーフィンしていたらこんな記事を目にしました。

jbpress.ismedia.jp

タイトルの通り「自分は好きで長い時間働いているんだ、残業規制の対象にされたくない!」という人についてどう捉えるべきかという話です。

記事ではこのように述べられています(引用)。

 確かに昨今では、ワーキングマザーや介護をする必要のある人などに対しては、時短で働くことや、残業しなくてすむ働き方を選択できるなど、「事情を抱えた従業員のワークライフバランスに配慮」した各種施策は、大企業を中心に整備され、定着しつつある。そうした従業員だけでなく、「働ける人」や「働きたい人」までも巻き込んで、「長時間労働体質からの脱却」に取り組まねばならない理由があるのだろうか。

 筆者の答えは「イエス」である。すべての企業ですべての人が長時間労働体質からの脱却に取り組むべき最大の理由は、組織におけるインクルージョンを実現するためである、と考えるからだ。

 インクルージョンというのは、「包括」のような意味ですが、この記事の文脈で言うと、社員がお互いの価値を認め合うということ。

残業ありのフルタイムと時短勤務のように、働き方の多様性(ダイバーシティ)が高まっても、働き方の異なる社員たちが、お互いに認め合い、信頼感を得られないと組織は良くならない、というのがこの記事の主旨です。

僕はこの考えに猛烈に共感しました。

例えば、時短勤務で働く社員もいますということをアピールして、子育て世代にも優しいよと謳う会社は多いですが、時短勤務の当事者からすると「早い時間に退社しなければならない」「残業ができない」ということに引け目を感じている人も多いでしょう。
もっと悪い場合にはフルタイムや子育て中でない人から嫌がらせを受けている、なんてこともあるかもしれません。
それって本当に「子育て世代に優しい」のかよ、と。

そういった問題を解決するための手段のひとつが「全社員が長時間労働から脱却すること」なのです。

ちょっと僕自身の経験からお話します。

 

僕が今の会社(フローレンス)に入って驚いたのは、時短勤務で働く社員が多いことでした。子育て環境に問題意識を持って入社してきた、子育て当事者が多いのでそうなるのは自然かもしれません。しかし一番驚いたのは、事業部のマネージャーも、時短勤務*1が多いということ。入社した当時の直属の上司が時短勤務で17時に毎日退社していて、日系のITベンダーから転職したばかりの僕は「マジか、すげえな」と思ったものです。

時短勤務の管理職は何人もいて、彼らを見ていて最初は「みんなすごいなー、相当優秀でスペックが高いんだろうな」くらいに思ってました。しかし、働いているうちに、ポイントはそこではないのかも、と感じ始めました。

というのも、マネージャーに限らず、これだけ時短勤務の社員が多いのに、仕事で「誰に何をやってもらうか」という話をするときに、「あの人は時短だから……」という発言(というか発想)が出てくることが全くないのです。言い換えると、時短で働く社員を特別扱いしていないということです。

 

なぜそういった風土が醸成されているのでしょうか? 僕が考えるその理由は、そもそも全社的に残業時間が少ないということです。フローレンスの残業時間平均はひとりあたり1日15分ほど。僕自身も、育休に入る前は、定時の18時になったら即退社していました。

子どものお迎えがあるなど、時短勤務で働く人は、早く退社しなければならないことに引け目を感じる人も多いと思いますが、その引け目の中身をもう少し噛み砕くと、「フルタイム社員は残業して長く働いているのに、自分は早い時間に帰らなければならない」というのがポイントなのではないでしょうか。

逆に言うと、時短でない社員も残業せず定時に退社することが普通であれば、その引け目はだいぶ薄まるのではないかと思うのです。全員が残業せず退社するという環境であれば、フルタイムと時短勤務の差は単純に業務時間が1〜2時間異なるというだけのことになります。

実際、社内では時短勤務に対するネガティブなイメージはまったくありません。「パートナーが異動になって環境が変わりサポートが必要なので……」など、家庭の事情に応じて一時的にフルタイムから時短勤務に切り替える社員も普通にいます。男性でもいます。そういうのいいですよね。

 

子育て世代の時短勤務に限らず、全員が画一的な働き方、特に「オフィスで長時間働く」という働き方はできないという状況は今後増えていくでしょう。これから親族の介護を担う人も多くなれば、そういった昭和的長時間労働の象徴とも言える40〜50代男性社員も、働き方の問題が他人事ではなくなります。

ひとつの組織で、そういった多様な働き方、特に「長く働くことが難しい」人材を受け入れ、成果を出していくためには、前述の通り、前提として「残業が少ない」風土であることが非常に重要なファクターになるのです。

それでもなお、「自分は長い時間働きたいんだ」という人は、同じ会社・同じ部署で長時間労働するのではなく、副業をしたり、ボランティアをしたり、あるいは勉強会やセミナーに参加するなど、別のかたちで仕事につながることをすればよいと思います。
ひとつの組織・職場においては、原則として全員が長時間労働体質を脱却するということが、真の意味で多様性を活かすために必要なことなのです。

 

以上は僕が今の職場で働いていて感じたことですが、似たようなことは小室淑恵さんの『労働時間革命』や小酒部さやかさんの『マタハラ問題』などにも書かれています。今後はきっとこういう視点がない企業は廃れていくのではないかと思います。

 

労働時間革命   残業削減で業績向上! その仕組みが分かる

労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる

 

 

 

マタハラ問題 (ちくま新書)

マタハラ問題 (ちくま新書)

 

 

*1:管理職なので勤務体系は別かもしれませんが、早く帰ったり遅くきたりいわゆる時短勤務的な動きということ

在宅勤務しながらリモートでミーティングに参加するってこんな感じ【半育休なお仕事】

こんにちは。育休期間も後半に入った橋本です。

 

半育休(育休しながら働く)中は、在宅勤務しつつオフィスで開催されるミーティングにリモート参加、ということもときどきあります。

世の中的にもテレワークや在宅勤務が注目されている昨今。自分(たち)がどのようにリモートメンバーを含めた会議を運営しているか、さくっと書いてみたいと思います。

 

リモートで出席しているミーティング

僕はフローレンスのコーポレートサイトや、オウンドメディア「スゴいい保育」の編集に携わっており、編集部のメンバーとのミーティングが多いです。

人数としては、オフィスに6〜7人、それに対してリモートで1〜2人という感じ。

ミーティングの内容としては、サイトのアクセス状況の確認をしたり、今後の施策を話し合うなど。

 

OA環境・ツール

リモート参加時(というか常時ですが)は、パソコンを自宅のネット回線(光)につないでいます。通話品質を考えると、なるべく固定の光回線がよいと思います。

 

他は特別な準備はなく、パソコンにマイク付きイヤホン(iPhoneのイヤホンが便利!)を挿すだけです。

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オフィス側の準備としては、集音マイク利用が望ましいです。遮音性が高い部屋で少人数ならともかく、参加者が多くなると、パソコンのマイクだけでは音声を拾いきれないということも発生します。そのたびにリモート側から聞き返すのは効率が悪いので、音声がちゃんと通じるよう、マイクはそれなりにしっかりしたものがあるとよいでひょう。

 

こんな感じのマイクですね。

 

サンワサプライ フラット型PCマイク MM-MC23

サンワサプライ フラット型PCマイク MM-MC23

 

 

これはだいぶ安いやつですが、オフィスにはもうちょっと高価なものがあった気がします。

 

リモート会議ツールは、Googleのハングアウトやappear.inを使っています。どちらも無料で使えます。

フローレンスは社内インフラとしてGoogle Appsを使っており、全員がGoogleアカウントを持っているので、1対1ならハングアウトが楽です。

 

hangouts.google.com

 

いっぽう複数人だったり、社外メンバーが入るような場合は、共通のURLにアクセスするだけでよいappear.inのほうが使いやすいです。

 

appear.in

 

どちらも通話品質的には特に問題ないと思います。もちろん、Skypeなど他のツールでもよいでしょう。

アジェンダや資料はどうしているのか

フローレンスのミーティングはGoogleドキュメントで作られたアジェンダ(同時編集が可能で、ミーティング中に議事を書き込み、最終的に議事録になる)を見ながら進行します。紙の資料は使いません。

このアジェンダを事前に用意し、関連資料のリンク等を記載しておけば、リモートでも全く問題ありません。

これはリモートの参加者がいるいないにかかわらずとても効率的なので、どんな会社にもおすすめです。(会社のセキュリティの都合でクラウドツールが使えないという人もけっこういますが、だいぶ生産性が違うので、本当にかわいそうだなと思います)

 

リモートでミーティングに参加してみて、どうか?

基本的には、上に述べたようなツールや事前の準備がちゃんと整っていれば、リモートで会議に参加することは特に支障ありません。

 

とはいえ、まったくもってオフィスにいるときと同じというわけではなく、やりやすいときとやりづらいときもあります。

 

やりづらい点(デメリット)

アジェンダに沿って議事進行していくミーティングなら特に問題はないのですが、アイディア出しの会議はやりづらいことがあります。

ブレインストーミングでは、「同時発生的にしゃべる」ことでアイディアを膨らませていくことが多いと思いますが、リモートでは同時にしゃべるとお互い言ったことを認識しづらくなるので、それがやりづらいです。

アイディア出しでよくある、ふせんに何か書いて、ホワイトボードに貼って……というのもできません。

まあ、このあたりは、ツールややり方次第かもしれないですが。

 

意外なメリット

同時発生的にしゃべって話を膨らませるのが難しい、と書きましたが、これは意外にメリットもあり、リモートで参加していると話の脱線が起こりづらい、あるいはオフィス側が脱線し始めたら「あ、話が逸れてる」というのを冷静に感じることができます。

また、リモート側が声を出すとオフィス側は必ずちゃんと聞こうとするので、話が逸れそうだなというときは「そういえばさっきの話ですが……」とひとこと発すると、話がもとの筋に戻ります。

(もちろんリモートの有無にかかわらず、そういう状況はない方が良いのですが)

 

リモートミーティングで良い成果を出すためのポイント

こういった内容をふまえて、リモート参加者がいるミーティングで高い成果を出すためのポイントは、こんな感じだと思います。

 

しっかりツールを準備する

会社の施策として在宅勤務などを推奨し、リモート会議を行うのであれば、ちゃんと設備は用意したほうがよいでしょう。具体的には「使うリモート会議ツールのデフォルトを決める」「オフィス側にちゃんとした集音マイクを準備する」「アジェンダや資料はウェブで共有できるようにする」の3点です。それほど難しいことではないです。

 

アジェンダをちゃんと決めて進行する

議事内容をあらかじめ決めてそのとおりに進めるというのは、リモート参加者の有無に関わらず当たり前のことだと思いますが、リモートメンバーがいるとよりその必要性が高まります。

顔を合わせてしゃべっていれば、アジェンダが適当でもなんとなくミーティングした「気分」になって終わることもあるかもしれませんが、リモート側からするとそれはありえません。

リモートメンバーとしては、わざわざ離れた場所からミーティングに参加するので、ミーティングで話す内容、決めるべきことは何かということにより注意するようになります(しなければなりません)。

逆に、その意識付けを使って、リモート参加者がファシリテーションをする、という役割分担にするのもよいかもしれません。

子どもを見ながら在宅で仕事ができるか?

ちなみに、育休と絡めた話をすると、原則として、育児しながら仕事はしない(上の子は保育園、下の子は奥さんにお願いして仕事の時間を作る)のですが、上の子の保育園お迎えの時間帯に、どうしても出ておきたいミーティングがある場合は、お迎えを奥さんにお願いして、赤ちゃんを抱っこしながらリモートで参加したりします。

 

ただ、赤ちゃんが元気に動いていたり、泣いていたりするとさすがにやりづらいので、寝かせたりミルクを飲ませるなど、支障が出ないよう調整しています。

「保育園に入れないなら家で子どもを見ながら仕事をすればいい」という意見をたまに聞きますが、短時間のミーティングならともかく、ある程度以上の長い時間、育児と仕事を同時に行うのは無理だと思います。

 

さいごに

働き方改革の旗のもと、在宅勤務・テレワークの推進ということで、リモートで働くことが推奨されるようになってきましたが、まだその「ベストなやり方」はまだ決まっていないと思います。

新しいツールや方法論など、積極的に試してみたいですね。

ではでは。

 

ーーー

 

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育休が無理なら、1-2週間の男性産休を取ろう

寒かったり暖かかったり、天気に往復ビンタくらってる気分ですね。橋本です。

男性の育児休業に関して、昨日こんな調査結果がリリースされました。

www.nli-research.co.jp

 

男性の育休取得率が100%という日本生命保険相互会社(以下、日本生命)での、育休を取得した男性へのアンケート調査をまとめたもので、育休を取得したことが、復帰後の働き方にどう影響しているかという観点での調査結果になっています。

「男性の育休取得率100%ってすごいな……!」と衝撃を受けたのですが、よくよく読むと、育休の期間は一週間程度という人がほとんど。有給をあてている人も多いようで、いわゆる育児休業というよりも、男性の産休に近い感じです。それでも、900人近くの男性が子どもの誕生に合わせて一定期間の休暇を取っているというのは素晴らしいこと。

調査結果によると、育休を取ったことにより、家事・育児に対してその後もしっかり関わろうとする意識が高まったり、パートナーの気持ちを受け止めることの大切さを理解したという回答が多くなったり……

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出典:「男性の育児休業」で変わる意識と働き方-100%取得推進の事例企業での調査を通じて | ニッセイ基礎研究所

 

早く帰るために業務効率化を意識するようになったり、同僚の家庭事情などに配慮する気持ちを持てるようになった、という結果が出ています。

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 出典:「男性の育児休業」で変わる意識と働き方-100%取得推進の事例企業での調査を通じて | ニッセイ基礎研究所

今回はこの「男性産休」についてです。

 

1〜2週間の「男性産休」を取得する

男性の育児休業取得率が3%にも満たない現在の状況で、長期間の育児休業を取るというのはハードルが高いという人も多いでしょう。「本当はしっかり育休を取ってみたいのだけど、職場環境的にどうにもならない」ということであれば、1〜2週間程度の「男性産休」を取るというのが、よい「プランB」としての選択肢ではないかと思います。

わりと直近で、政府も国家公務員に対して「男性の産休」を取ることをすすめています。

www.asahi.com

フランスと日本を比較した子育てルポタージュの『フランスはどうやって少子化を克服したか』という本では、フランスの男性が子育てにしっかり参画しているその背景には、2週間の男性産休制度があると述べられています。

こちらではこの「男を父親にする」作業が、とても意識的に行われています。その代表が、出産後に2週間取得できる「男の産休」。短期集中合宿よろしく、パパ・トレーニングを行う期間です。

その制度は、3日間の出産有給休暇と、11日連続の「子どもの受け入れ及び父親休暇」という2つの休暇制度。後者の父親休暇は無給ですが、国の社会保険からからその期間の所得補償があるため収入は減らないという仕組みです。

休暇制度だけでなく、助産師を中心とした出産準備講座に父親も出席するなど、あらかじめ子どもの世話をするための心構えやノウハウを学び、その上でこの産休期間に実際に赤ちゃんの世話をし、「父親になっていく」という大きな仕組みがフランスでは運用されています。

こういった制度を背景として(もちろん、これだけが原因ではないと思いますが)、フランスの出生率は2014年で1.98と、他の先進国に比べて高い水準になっています。

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出典:世界各国の出生率 - 少子化対策 - 内閣府

 

休暇制度をうまく使って男性産休を

実際に、日本で働きながら男性産休をどのように取得するか考えてみると、期間にもよりますが、おそらくそれほど難しいことではないでしょう。

日本では、子どもが生まれた場合、2〜3日の慶弔休暇(あるいは配偶者出産休暇)が取れる就業規則になっている企業が大半です。ミニマムで取るのであれば、この慶弔休暇に有給休暇をプラスして、子どもが生まれてから(厳密には、子どもと妻の退院日からがよいと思いますが)1週間を男性産休とするようにすれば、比較的取得は容易です。有給休暇に余裕があれば、もう1週間休みにして、2週間の産休にすればさらによいでしょう。

有給休暇が余っていない、という方は、数日間でも育児休業を取得するというやり方もあります。育児休業自体は、1日から取得できますし、育児休業給付金は勤めている会社からではなく雇用保険から出るので、有給・無給を気にする必要もありません。給付金はざっくり言って給与の3分の2(時期によっては2分の1)ですが、短期間ならさほど気にならないでしょう。

国にしてほしいこと

国家公務員の男性産休推進という話に目を向けると、実は国家公務員には、産休を取りやすい制度があります。妻が出産する場合は2日間の配偶者出産休暇、さらにそれに加えて5日間の男性の育児参加休暇という制度がちゃんとあるのです*1

安倍総理が「男性の産休を」と言っているくらいですから、ぜひこういった、男性の育児参画のための休暇制度をフランスのように法律化して、日本の男性の家事育児コミット度を高めて欲しいものです。

 

ではでは!

 

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

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*1:参考:勤務時間・休暇のページ(人事院)