パパ半育休からの時短なう

育児休業を取りながら働く半育休の話を中心に、育休の制度や子育てについてつらつらと。

パパが出産予定日前から育休に入るメリットと、そのハードル【訂正・追記】

こんにちは。本格的に育休に入っている橋本です。

今のところ

家事:自分80%・奥さん20%

赤ちゃんの世話:自分20%・奥さん80%

上の子の世話:自分50%・奥さん50%

という感じでやっております。もう少し赤ちゃんのミルクとかおむつ替えとかもやりたい気持ちもあるのですが、おっぱいの張りを抜くために母乳にすることが多く、そうすると自然とおむつ交換のタイミングに奥さんが気づく……ということが多いです。まあ、それで困っているわけではないので、赤ちゃんの成長具合に応じて、柔軟にやっていければと。赤ちゃんかわいくて毎日クンカクンカしてます。

 

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さて、自分としては比較的スムーズに育休に入れたと感じているのですが、ポイントだったのは、赤ちゃんが生まれる前に家事を引き継ぐ期間を設け、育休の生活リズムを作っておいたことではないかと思います。具体的には、予定日の3日前(土日を含めると5日前)からプレ育休に入り、家事の配分を自分に寄せて、上の子の送り迎えもやって……という感じで準備するという具合でした。

それが功を奏して(というほどのことでもないけど)、赤ちゃんが生まれたあとも家事や上の子の保育園関連を引き続き自分が担当し、奥さんは身体のケアと赤ちゃんの世話に集中するという体制を作ることができたわけなのですが、改めて振り返ると、予定日の前から休みに入っておいたことのメリットは他にもいくつかありました。こんな感じです。 

  • 家事やきょうだいの育児の引き継ぎ期間を作れる(前述の通り)
  • 陣痛や破水など、出産の前のイベントに対応しやすくなる
  • 出産前にふたりだけの落ち着いた時間を取れる
  • そもそも予定日より前に生まれる可能性もある

少し補足します。

陣痛や破水など、出産の前のイベントに対応しやすくなる

出産の前には、ママの陣痛が始まったり、場合によっては破水(卵膜が破れて羊水が出てくる)したりと、お産の兆しであるイベントがあります。いつ起こるかはわかりません。朝ごはんを食べているときかもしれないし、夜中かもしれないし、日中パパが仕事に行っているときかもしれません。

当然、ママがひとりで対応するよりも、パパと一緒にいたほうが、入院グッズを確認したり、タクシーを呼んだりといったプロセスがスムーズに進むでしょう。特に、破水したときは、動くたびにママのお腹から羊水が出てきて(度合いは人によりますが)、自分の意志で止めたりすることはできません。そんなときパパがいればかなりママは助かると思います。

ちなみに超蛇足ですが、うちの奥さんの一人目の出産のときは、夕飯後に僕がおすすめしたマンガ、ジョジョの奇妙な冒険(第二部)を読んでトイレに行ったらおしるし(ちょっとした出血)があり、その後布団で横になったらブツッと音がしてジョバァーと破水したそうです(里帰り出産だったので僕はいなかったのですが)。最近上の子、静電気でビリっとくることが多いなと思っていたのですが、もしかしたら波紋?

出産前にふたりだけの落ち着いた時間を取れる

第二子以降の出産だと、出産直前でも上の子の世話でてんやわんやです。生まれてくる赤ちゃんの名前や、どんな子どもに育ってほしいかなど、ゆっくり話す時間もあまり取れません。

今回早めに休みに入ったことで、奥さんとゆっくり話す時間を取ったり、近所の気になっていたレストランに一緒に行ったりと、少しの間ですがゆったりと過ごすことができました。外食なんて赤ちゃんが生まれ、上の子もいたら、数カ月行けないかもしれないですからね……

また、出産が近づくと、赤ちゃんがお腹の下のほうに下りてきて、ママのお腹の張りはより強まったりするのですが(うちの場合は奥さんがよくそう言っていました)、そういったママの体調の変化を、長い時間一緒にいるとよく知ることができるし、出産に向けた不安や、そわそわした気持ちを共有できたのもよかったです。まあ、休みに入らなくても、寄り添い力の高いパパなら大丈夫かもしれませんし、そわそわしていたのは僕だけだったかもしれませんが。

そもそも予定日より前に生まれる可能性もある

地味に大きいのがこれです。おそらくどなたも、「予定日より早く生まれちゃって……」というママさんの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

とある病院のデータによると、実際に出産に至ったタイミングが妊娠期間のいつかというのは以下のようになっていたそうです。

37週……3.7%
38週……12.5%
39週……30.8%
40週……34.9%
41週……18.1% 

出典:出産予定日に生まれる確率はどれくらい? [妊娠の基礎知識] All About*1

出産予定日は40週0日なので、それより前に生まれる赤ちゃんもけっこういるということですね。我が家の場合も、上の子は予定日の1週間前に生まれました。 予定日より早く生まれる可能性はそれなりにあるので、出産に備えパパが早めに休みに入る意味は大きいと思います。

しかし……育休制度上、男性は子どもが生まれてからしか休みに入れない【訂正あり。予定日から育休に入れます、が、給付金は別】

パパのプレ育休は、前述の通りメリットが多いのですが、現状の制度としてはちょっとだけやりづらいところがあります。それは、子どもが生まれる前の休みは育児休業期間にならないということです。

育児休業を取得できるのは、子どもが生まれたその日からと法律で決まっています。これは男女問わず同じなのですが、女性の場合、産前産後休業と連続になっているので、あまり意識しないことも多いと思います。しかし男性の場合、子どもが生まれたその日からしか育休を取ることができません。そのため、赤ちゃんが生まれる前の期間は育休ではなく普通の有給休暇(以下、有休)扱いになります。

 

特にネックになるのは、出産予定日より生まれるのがあとになるケース。そうすると、出生が1日遅れるごとに、1日ずつ有休を消化していくことに。

もちろん、有休に余裕があれば問題はないのですが、先に有休を多く使ってしまうと、今度は保育園に入園後、子どもが体調を崩したときなどに対応することが難しくなってきます。子育て世代にとって、有休はちょっとしたライフラインです。

2018/04/22訂正

こちら、誤りの指摘いただきました。男性の育児休業ですが、「子どもが生まれた日」ではなく、「出産予定日」から休業に入ることができるのだそうです。詳細は以下リンクから。大変失礼しました!

男性の育児休業はいつから取得できますか? : 大熊社労士の分かりやすい人事労務管理相談室

ただし!休みに入ることは予定日からできるものの、雇用保険から育児休業給付金が給付される対象になるのは、出産日から、なのだそうです。

収入のことを考えると、育児休業に入った状態で、有給休暇を使うということは難しいでしょう。そうなると、予定日から育休に入ったけど、まだ生まれていないから給付金対象期間にならない、という状態が発生する可能性があります。

なので、後から述べるように、配偶者出産休暇や慶弔休暇など、会社の休暇制度をうまく組み合わせることも、検討したほうがよいでしょう。

また、育児休業の開始予定日を、前倒しではなく後倒しする場合、勤め先がそれを認めてくれるかは確認が必要になるようです。なかなか面倒ですが、事前に丁寧にコミュニケーションをとっておくことが大事そうですね。

 まず、休業開始日の繰上げについては、早産等の特別な事情が生じた場合、1回に限り、変更後の休業開始日の1週間前までに申し出ることで変更することができます。
 また、休業終了日の繰下げについては、特に事情がなくても、1回に限り、休業終了日の1ヶ月前までに申し出ることで変更することができます。
 一方、休業開始日の繰下げや、休業終了日の繰上げについては、法律上の規定はなく、事業主はそれらの希望があっても変更を認めなくてもよいことになっています。(もちろん、法律に定めがないだけであって、変更を認めることは問題ありません) 

引用元:育児休業の開始日や終了日を、繰り上げたり繰り下げたりできるか

自分の場合:慶弔休暇が前倒しで取れた

そんな感じのことを、育休の書類確認などのついでに人事担当と話したところ「たしかにそれは困るね。ちょっと待ってね……」と。何かいい方法があるのかな?と思っていたら、しばらくして「うちの就業規則上、慶弔休暇(出産)の日付前倒しができるので、それを使って!」という素敵な情報が。そんなわけで、僕は1/10(火)から休みに入って、1/13(金)に第二子誕生だったのですが、

1/10:有休(実際には半日在宅勤務したので半休)

1/11:慶弔休暇

1/12:慶弔休暇

1/13〜:育児休業

という感じで、通常の有休を温存することができました。2日間慶弔休暇でカバーできたのはけっこう助かります。人事チームの皆さんにマジで感謝です。

この記事で言いたいこと

僕が育休に入るまでの経緯を長々と書いてきましたが、今回言いたいことはこんな感じです。

(1)これから育休を検討している男性へ

ぜひ、数日でよいので出産予定日より前に休みに入って、家事・育児の引き継ぎ環境を作ることをおすすめします。「赤ちゃんが生まれたらしばらく母子入院だから、その間にいろいろできるじゃん」という考えもなくはないですが、第二子以降の場合、入院とともにワンオペ育児期間にINするので、その前にゆとりを持って準備をしておいたほうがいいと思います。

その際に、前述したように、会社の休暇制度がどのようになっているかは、確認しておくとよいでしょう。会社によっては、慶弔休暇や、配偶者出産休暇といった、子どもが生まれたときに使える休暇がありますが、休みの取り方のルールも細かく規定されているので、「子どもが生まれた日以降にしか取れない」制度の場合もあります。事前に就業規則を見たり、人事と確認するのがよいと思います。

(2)企業の人事担当の方へ

慶弔休暇や配偶者出産休暇の取得の仕方について、育休に入る前につなげて取れるような就業規則にするようにしていただきたいです。鬼のように地味な話ですが、それによって男性社員は育休に120%コミットでき、復帰後の不安も減り、従業員満足度も上がると思います。ぜひ就業規則のご確認と、もし「生まれた後しか取れない」制度であれば、柔軟に取得できるように改正していただければと思います。そして社内広報して男性育休を盛り上げましょう。

さいごに

今回は、そもそも男性の育休がちゃんと運用される環境であるという前提の上で、よりよいパパ育休に、という話です。なので、男性の育休取得率が3%以下である現在の状況では、ぜいたくな悩みかもしれません。

というか正直、書きながら、時代を先取りしすぎて共感されなそうな気がビンビンしています。

でもですよ。そもそも、人生に数回しかない、自分の子どもが生まれるというビッグイベント。それくらいのぜいたくをしたっていいじゃないですか。会社だってそんなときくらい社員にやさしくしたらいいじゃないですか*2。いっそ育児・介護休業法改正で、育休を前倒しで取れるようになったっていいじゃないですか。トータルの期間が同じならいいじゃないですか。そんな風になったら、僕は嬉しい。

そんな雑なまとめで今回の記事を締めたいと思います。何卒何卒。

 

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*1:湘南鎌倉総合病院という病院のデータとのこと。元データは見つけられませんでしたが、特におかしなデータではないと思います。

*2:僕はしてもらえたのですが