パパ半育休からの時短なう

育児休業を取りながら働く半育休の話を中心に、育休の制度や子育てについてつらつらと。

育休が無理なら、1-2週間の男性産休を取ろう

寒かったり暖かかったり、天気に往復ビンタくらってる気分ですね。橋本です。

男性の育児休業に関して、昨日こんな調査結果がリリースされました。

www.nli-research.co.jp

 

男性の育休取得率が100%という日本生命保険相互会社(以下、日本生命)での、育休を取得した男性へのアンケート調査をまとめたもので、育休を取得したことが、復帰後の働き方にどう影響しているかという観点での調査結果になっています。

「男性の育休取得率100%ってすごいな……!」と衝撃を受けたのですが、よくよく読むと、育休の期間は一週間程度という人がほとんど。有給をあてている人も多いようで、いわゆる育児休業というよりも、男性の産休に近い感じです。それでも、900人近くの男性が子どもの誕生に合わせて一定期間の休暇を取っているというのは素晴らしいこと。

調査結果によると、育休を取ったことにより、家事・育児に対してその後もしっかり関わろうとする意識が高まったり、パートナーの気持ちを受け止めることの大切さを理解したという回答が多くなったり……

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出典:「男性の育児休業」で変わる意識と働き方-100%取得推進の事例企業での調査を通じて | ニッセイ基礎研究所

 

早く帰るために業務効率化を意識するようになったり、同僚の家庭事情などに配慮する気持ちを持てるようになった、という結果が出ています。

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 出典:「男性の育児休業」で変わる意識と働き方-100%取得推進の事例企業での調査を通じて | ニッセイ基礎研究所

今回はこの「男性産休」についてです。

 

1〜2週間の「男性産休」を取得する

男性の育児休業取得率が3%にも満たない現在の状況で、長期間の育児休業を取るというのはハードルが高いという人も多いでしょう。「本当はしっかり育休を取ってみたいのだけど、職場環境的にどうにもならない」ということであれば、1〜2週間程度の「男性産休」を取るというのが、よい「プランB」としての選択肢ではないかと思います。

わりと直近で、政府も国家公務員に対して「男性の産休」を取ることをすすめています。

www.asahi.com

フランスと日本を比較した子育てルポタージュの『フランスはどうやって少子化を克服したか』という本では、フランスの男性が子育てにしっかり参画しているその背景には、2週間の男性産休制度があると述べられています。

こちらではこの「男を父親にする」作業が、とても意識的に行われています。その代表が、出産後に2週間取得できる「男の産休」。短期集中合宿よろしく、パパ・トレーニングを行う期間です。

その制度は、3日間の出産有給休暇と、11日連続の「子どもの受け入れ及び父親休暇」という2つの休暇制度。後者の父親休暇は無給ですが、国の社会保険からからその期間の所得補償があるため収入は減らないという仕組みです。

休暇制度だけでなく、助産師を中心とした出産準備講座に父親も出席するなど、あらかじめ子どもの世話をするための心構えやノウハウを学び、その上でこの産休期間に実際に赤ちゃんの世話をし、「父親になっていく」という大きな仕組みがフランスでは運用されています。

こういった制度を背景として(もちろん、これだけが原因ではないと思いますが)、フランスの出生率は2014年で1.98と、他の先進国に比べて高い水準になっています。

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出典:世界各国の出生率 - 少子化対策 - 内閣府

 

休暇制度をうまく使って男性産休を

実際に、日本で働きながら男性産休をどのように取得するか考えてみると、期間にもよりますが、おそらくそれほど難しいことではないでしょう。

日本では、子どもが生まれた場合、2〜3日の慶弔休暇(あるいは配偶者出産休暇)が取れる就業規則になっている企業が大半です。ミニマムで取るのであれば、この慶弔休暇に有給休暇をプラスして、子どもが生まれてから(厳密には、子どもと妻の退院日からがよいと思いますが)1週間を男性産休とするようにすれば、比較的取得は容易です。有給休暇に余裕があれば、もう1週間休みにして、2週間の産休にすればさらによいでしょう。

有給休暇が余っていない、という方は、数日間でも育児休業を取得するというやり方もあります。育児休業自体は、1日から取得できますし、育児休業給付金は勤めている会社からではなく雇用保険から出るので、有給・無給を気にする必要もありません。給付金はざっくり言って給与の3分の2(時期によっては2分の1)ですが、短期間ならさほど気にならないでしょう。

国にしてほしいこと

国家公務員の男性産休推進という話に目を向けると、実は国家公務員には、産休を取りやすい制度があります。妻が出産する場合は2日間の配偶者出産休暇、さらにそれに加えて5日間の男性の育児参加休暇という制度がちゃんとあるのです*1

安倍総理が「男性の産休を」と言っているくらいですから、ぜひこういった、男性の育児参画のための休暇制度をフランスのように法律化して、日本の男性の家事育児コミット度を高めて欲しいものです。

 

ではでは!

 

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

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