育児休業給付金には上限金額が。制限を受ける人はどれくらい?
こんにちは。半育休からの時短勤務なうな橋本です。
ざっくり言うと、「育休前の額面月額給与平均の3分の2あるいは2分の1」というのがその金額なのですが、それにあてはまらないケースもあります。
具体的には、月給がある一定以上の金額となる場合、給付金に制限がかかるのです。
今回はその例について。給付金の金額上限にひっかかるのはどういうときか?そして日本で働く人のうちどれくらいがその制限を受けるのか?という話です。
育児休業給付金には上限金額がある
たとえば高給取りの方で、月額100万円の給与を得ていたとして、給付金がその3分の2で67万円になるかというと、そうはなりません。
育休前6ヶ月の額面月額給与平均*1が447,300円*2を超える場合は、その金額が447,300円である、とみなして計算されるのです。
その場合、給付金の月額は
子どもが生まれてから半年:299,691円
子どもが生まれてから半年以降:223,650円
となります。
仮に月の給与が100万円だとしても、給付金は最大で上記のとおり約30万円となる、ということです。
育児休業給付金の上限にひっかかる人ってどのくらい?
とはいったものの、実際に給料をもらって働いている人で、この制限にかかる人は、必ずしも多くはありません。
国税庁の「民間給与実態統計調査」をもとに、平成27年(2015年)の、日本の給与所得者の年収金額帯と人数をグラフにしてみると、こんな感じです。
※国税庁の資料(http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2015/pdf/000.pdf)より作成
給付金の制限がかかり始める、額面月給447,300円は、年収にすると530万円ほど。
そうすると、少なくとも、上のグラフで、年収500万のラインまでは、制限なしということになります。
年収が500万以下の人数を合計すると、全体の70%強。ここまでは、ほぼ確実に、上限にはひっかかりません。
さらに、このグラフは賞与も含んだ年収の金額です。
育児休業給付金のもとになる賃金日額は、賞与は除外して計算するので、賞与を含めて年収が530万を超えても、給付金の上限にはかからないケースが多いと思われます。
だいたい15〜20%が賞与であることを考慮すると、実質的には年収500〜600万の層も制限にかからない可能性が高く、そうすると全体の80%程度は、特に制限を気にしなくてOK、ということになります。
というわけで、ざっくりではありますが、給与所得者の80%くらいまでは、育児休業給付金の上限にはひっかからない、と言えるのではないでしょうか。
さいごに
ただし、一点注意はあって、このグラフは男女含めたもの。
男性のほうが女性より給与所得額の平均は高くなりますから、「男性の育休」という視点で男性だけ抽出して考えると、男性の中で給付金の金額制限を受ける人は、全体で見たときよりは割合として多くなってくると思います。
それでも、それなりに給与所得が高い人に限られはしますが・・・
ちなみにそういえば、政府は副業推進しようとしていますが、こういった雇用保険周りはどうなるんでしょうね。手続きやらなんやらあんまりめんどくさい感じにならないといいのですが。
ではでは。
以下参考です。
■実際に育児休業給付金ってどれくらいの金額なの?ということが気になる方はこちらもどうぞ。
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