2017年に読んだ本のまとめ
2017年は102冊の本を読みました。
年間100冊を目標にしているので、どうにか達成という感じです。(読みゃあいいってわけじゃないんですけどね)
年末なので、読んだ本のうち印象的だったものを振り返ってみようと思います。
■産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ
子どもが欲しいが何らかの理由で産むことができない育ての親が、乳児院などの施設や、あるいは産んでも育てられないという女性から赤ちゃんを受け取り、法律上も親子となる特別養子縁組。
その特別養子縁組で子どもを授かり、育てているいくつかのご夫婦のエピソードと、実際に制度を使って子どもを受け入れるにはどうしたらいいかがまとめられている本。
エピソードで実際に縁組をした人がどんな気持ち、環境で子育てをしているのかということを伝えつつ、かっちりした制度の説明も入っていて、「養子を受け入れる」ことを考えている人のファーストステップとしてとてもよいと思いました。
産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ (健康ライブラリー)
- 作者: 後藤絵里
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
この本についてはブログにも書いてます。
■ママたちが非常事態!?: 最新科学で読み解くニッポンの子育て
なぜ人間という種に産後うつというリスクがあるのか、なぜイヤイヤ期があるのかなどといった内容を、人間の生理の仕組みや文化人類学的なアプローチで解説する本。
もともと人間は、親子(特に母子)一対一で子育てをするのではなく、群れの中で複数の親が複数の子を育てあう協同養育というスタイルで子育てしてきたため、産後は特に他人とのつながりを本能的に求め、それが不安を呼び起こし、現代では産後うつのリスクになる、みたいな話でとてもおもしろい話。
やっぱり社会で子どもを育てるのって大切だなと感じる本。
ママたちが非常事態!?: 最新科学で読み解くニッポンの子育て
- 作者: NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/12/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
■「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
因果関係と相関関係って違うよ、エビデンスの信頼度はこんなふうに度合いがあるよ、というのをやさしく解説している本。
まじで因果関係と相関関係の違いは中学生くらいで教わるべきだと思う。まさに情報リテラシーの基礎。特にSNSで不特定多数の発信者の情報に触れるにあたってはちゃんと理解しておくべき。
■サピエンス全史(上)
話題になってましたねー。僕は上巻しか読んでないですが(笑)
種としての進化の速度を、人間の認知能力向上のスピードが超えてしまって、現代の社会ができた、という話に得心がいきまくり、なるほどーーーーーとなりました。
■青白く輝く月を見たか?
森博嗣のWシリーズ、今年も最高でした。
近未来、人工的に作られた人間(ウォーカロン、Walk Alone)が普通になり、人間も人工細胞を取り入れることでほとんど不老不死に。しかし、人間には新たに子どもが生まれないようになっていた・・・という社会で、科学者の主人公があれこれするんですが、とにかく、人間とは何か?生きているということとは何か?を考えさせられる作品。
青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light? Wシリーズ (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
シリーズはこちらから始まっているので、読むならここからがいいと思います。
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣,引地渉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (23件) を見る
■OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
自分的今年のベスト。
不慮の事故(病気)によって夫を亡くしたシェリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO)が、喪失の悲しみからどのように立ち直っていったかを振り返る本。
第三者の視点から見て、家族や、あるいはペットなど、大切な存在を亡くして悲しんでいる人に対して、どのように接するべきなのか?というのは難しい問題だと思いますが、「その話題に触れない」ことが、逆に本人を傷つける場合もあるというのは、たしかにそうだなと。そういった意味で、人のレジリエンス(回復する力)に寄り添うという観点でも、学びが多い本でした。
何より、サンドバーグ本人の深い悲しみと、そこからどうにか立ち直っていこうとする気持ちが強く感じられてとても感銘を受けました。
多くの人に読んでほしいな、と思った本。
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
- 作者: シェリル・サンドバーグ,アダム・グラント,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/07/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
会社の読書部の課題図書(?)として、全10巻を読破。傑作でした。
最悪の民主政治と、最良の専制政治、どちらが望ましいのか?という大きなテーマを背景に繰り広げられる、魅力的なキャラクターの群像劇。戦略と戦術の応酬。非常にエキサイティングで面白かったです。
てか、これ今から800年くらい未来を舞台にしてるんですが、そこまでの人類の発展や、未来年表の中で起こった事件や争い、政変をひとりで考えて作り上げるという、作者田中芳樹先生の想像力・構想力に脱帽・・・
■お金2.0 新しい経済のルールと生き方
これまで社会のトッププライオリティであった「お金をたくさん稼ぐ」ことの価値が相対的に下がってきていることは、特にソーシャルセクターにいると実感しますが、そういった社会と価値観の変化を体系的にまとめた本。
特に、FacebookやGoogleなどのIT企業は、これまでの企業価値測定のツールである財務諸表ではその価値を読み取ることはできず、旧来の考え方だと株価がバブルみたいにも見えるけれど、実際の価値は財務諸表にあらわされないユーザやデータにあるよね、という話は非常に象徴的でした。
ソーシャルセクターがこれから取り組んでいく社会的インパクト評価もまさにそういった流れの中にあるなと。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/29
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
来年もたくさん本を読んでいきたいと思います。がんばろー。
ちなみに読んだ本はこちらにまとまってます。
■お前誰?という方にこのブログと筆者の説明はこちら
■Twitterもやってます。よろしければフォローしてくださいませ!