ライフ・ワーク・バランスフェスタ東京2017に参加してきたので、過去の認定企業を見てみた。転職するならここ?
こんにちは。赤ちゃんより上の子の寝相の悪さで寝不足気味な橋本です。
2017年2月8日に行われた、ライフ・ワーク・バランスフェスタ2017に参加してきました!
僕の働いているフローレンスには、働き方革命事業部という部署があります。人事や経理、システムといったバックオフィス業務とともに、制度づくりなどを通して働き方改革を進め、日本一働きがいのある組織を作る、ということをミッションにしている部署です。
けっこういろいろ面白い施策をやっているのですが、それはフローレンスのコーポレートサイトでぜひご覧くださいませ(宣伝すみません)。
働き方改革 | 認定NPO法人フローレンス | 新しいあたりまえを、すべての親子に。
この働き方革命、社内に閉じているだけじゃなくて発信していこう!ということで、今回のライフ・ワーク・バランスフェスタにフローレンスも出展。僕も、育休中ですが、面白そうなので仕事として参加してきました。働き方改革が叫ばれている時世というだけあって、今年は特に注目が集まっていたように思います。
フローレンスがどんな出展をしたのか……もお話したい気持ちはありますが、そちらはコーポレートでそのうち記事化されると思うので、今回は、ちょっと違った視点から。
東京都ライフ・ワーク・バランス認定企業
本フェスタでは、東京都がワークライフバランス推進のための施策を行っていると認定した企業(ライフ・ワーク・バランス認定企業)がブースの出展をしていました。
東京ライフ・ワーク・バランス認定企業 | 東京都いきいき職場推進事業 | TOKYOはたらくネット
認定企業は、「長時間労働削減取組部門」「休暇取得促進部門」「仕事と育児の両立推進部門」「仕事と介護の両立推進部門」「多様な勤務形態導入部門」「職場における女性の活躍部門」の6つの部門に分かれます。認定に応募し、「自分たちはこういう取り組みをしていますよ」というのを東京都にPRして、審査員がそれをチェックしてOKであればお墨付きが得られるという感じです。
今回は平成28年の認定企業がブース出展していました。個別の施策は認定企業一覧のページから見ていただくとして、今回は過去5年分の認定企業を振り返り、業種などがどんな感じなのか見てみました。
というわけで過去5年分の認定企業をまとめた表がこちらです。
年度 | 部門 | 企業 | 業種(大分類) | 業種(小分類) |
長時間労働削減
|
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント | サービス | 労務コンサル | |
株式会社ランクアップ | 製造 | 化粧品 | ||
休暇取得促進 | 株式会社アオアクア | 介護 | ||
仕事と育児の両立推進 | 株式会社赤ちゃんとママ社 | 出版 | ||
仕事と介護の両立推進 | 株式会社白川プロ | 制作 | 番組制作 | |
多様な勤務形態導入
|
アルス株式会社 | IT | パッケージ導入 | |
エス・エー・エス株式会社 | IT | 自社サービス | ||
ChatWork株式会社 | IT | 自社サービス | ||
職場における女性の活躍促進
|
株式会社内野製作所 | 製造 | 精密機器 | |
有限会社ケア・プランニング | 介護 | |||
セントワークス株式会社 | 介護 | |||
多賀建設株式会社 | 建設 | 土木 | ||
株式会社トーリツ | 介護 | |||
長時間労働削減 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 製造 | インフラ系 | |
休暇取得促進 | 株式会社プレスク | IT | パッケージ導入 | |
仕事と育児の両立推進
|
株式会社グリフィン | IT | 受託開発 | |
東神開発株式会社 | 不動産 | |||
特定非営利活動法人ワーク・ライフ・バランス ラボ | 保育 | 保育園運営 | ||
仕事と介護の両立推進 | 株式会社アソシエ・インターナショナル | 保育 | 保育園運営 | |
多様な勤務形態導入
|
クディラアンド・アソシエイト株式会社 | サービス | 翻訳 | |
株式会社シュフリー | サービス | 会員特典代行 | ||
株式会社日建設計総合研究所 | シンクタンク | |||
有功社シトー貿易株式会社 | 商社 | 紙器・段ボール | ||
職場における女性の活躍促進
|
株式会社浅野製版所 | 制作 | デザイン・広告 | |
港シビル株式会社 | 建設 | 土木 | ||
長時間労働削減取組
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株式会社ウィルド | IT | 受託開発 | |
一般財団法人建設物価調査会 | シンクタンク | |||
株式会社小林労務 | サービス | 労務コンサル | ||
休暇取得促進 | フコクしんらい生命保険株式会社 | 生命保険 | ||
仕事と育児の両立推進
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株式会社YUIDEA | サービス | PR | |
株式会社ジャンボコーポレーション | 保育 | |||
医療法人社団瑞心会杉並リハビリテーション病院 | 医療 | |||
株式会社タニタハウジングウェア | 製造 | 建築資材 | ||
仕事と介護の両立推進 | 有限会社すこやか | 介護 | ||
多様な勤務形態導入 | 株式会社阿部兄弟建築事務所 | サービス | 建築事務所 | |
女性の活躍促進
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株式会社アーク情報システム | IT | パッケージ導入・受託開発 | |
プレゼンツコンサルティング株式会社 | 飲食 | フランチャイズ | ||
平成25年
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長時間労働削減取組
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サポート行政書士法人 | サービス | 行政書士 |
セントワークス株式会社 | 介護 | |||
休暇取得促進
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一般財団法人日本興亜スマイルキッズ | 保育 | ||
株式会社ネットラーニング | サービス | eラーニング | ||
育児・介護休業制度充実
|
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント | サービス | 労務コンサル | |
株式会社wiwiw | サービス | 研修 | ||
沖電気防災株式会社 | 製造 | 防災設備 | ||
株式会社プレスク | IT | パッケージ導入 | ||
ミニメイド・サービス株式会社 | サービス | 家事代行 | ||
株式会社ランクアップ | 製造 | 化粧品 | ||
多様な勤務形態導入
|
株式会社トーリツ | 介護 | ||
株式会社日本レーザー | 商社 | レーザー | ||
長時間労働削減取組
|
学校法人川口学園 | 教育 | ||
テラテクノロジー株式会社 | IT | 受託開発 | ||
休暇取得促進 | アルス株式会社 | IT | パッケージ導入 | |
育児・介護休業制度充実
|
サイボウズ株式会社 | IT | 自社サービス | |
株式会社テイルウィンドシステム | IT | 受託開発 | ||
医療法人柏堤会奥沢病院 | 医療 | |||
株式会社マルヨシ | 製造 | バッグ | ||
多様な勤務形態導入
|
大友不動産有限会社 | 不動産 | ||
クラスメソッド株式会社 | IT | 受託開発 | ||
株式会社テレワークマネジメント | サービス | 業務コンサル |
※業種は、僕が勝手にざっと事業内容を見て分類したものなので、間違っているところなどあったら教えてくださいませ……
まとめているうちに、業種別に見てみるとどんな感じなのかなと思ったので、グラフにしてみました。
※円グラフの中の数字は企業数。同企業が複数回認定されているものもカウント。
一番多いのはIT(システム開発や自社サービスを作っている会社)でした。その次に多い分類は「サービス」としていますが、ここは労務コンサルや人材育成(研修)の会社などいろいろです。分類が雑ですみません……そしてその次に製造業、介護、それから保育と続きます。
ITは、転職市場でも求人倍率が高い、企業側から見ると人材難な業種です。DODAのレポートによると、2017年1月の求人倍率は6.12倍。1人の求職者に対して、6件ほどのオファーがある売り手市場*1です。同様に介護は3〜8倍、保育園の保育士さんも3倍弱*2。認定企業に人材難の業界が多いのは、働きやすさを高めていかないと、人を採用できないということのあらわれでしょう。
実際に、ブース出展されていたある認定企業さん(ITの会社)に、「認定企業になったことで採用に影響はありましたか?」と聞いてみたところ、「採用説明会に来る人の数がぐっと増えました」という回答がありました。
複数回認定を受けている企業もある
先ほどの表を見ていただくとわかりますが、複数回、ライフ・ワーク・バランス認定を受けている企業もいくつかあります(部門は変わっているようです)。それだけ働きやすさの向上に力を入れているということだと思うので、ちょっと紹介してみます。転職など考えている方は、こういった観点で企業を見てみるのもよいのではないでしょうか。
・株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
メンタルヘルス分野のコンサルティングをしている会社。長時間労働削減部門で認定されています。昨年からストレスチェックが義務化され、仕事の受注量がぐっと増えつつも、業務効率化で長時間労働を削減してきた点が認定のポイントだったようです。平成25年には育児・介護休業制度充実部門でも認定されています。育児休業や時短などの柔軟な制度が評価されたもよう。
・株式会社ランクアップ
manara(マナラ)という化粧品を作っている化粧品メーカー。長時間労働削減部門で認定。仕事が早く終われば定時より30分前倒しで帰ってよいという制度が特徴的です。平成25年に育児・介護休業制度充実部門でも認定されていますが、6時間勤務で昼休憩なしなら14時30分に退社できる正社員など、働く時間を柔軟に調整できる制度があるようです。化粧品自体もおそらくママ層向けなのかもしれませんね。
・アルス株式会社
人事・給与管理系のバックオフィスシステムを開発している情報システムの会社。多様な勤務形態導入部門で認定されています。1日の勤務時間のうち一部を社外で勤務できる「モバイル勤務」や、在宅勤務などの制度がポイントとのこと。平成24年には休暇取得促進部門でも認定されており、妊娠中の女性向けの「つわり休暇」や、法定より多めの有給休暇制度、休暇を取りやすい雰囲気作りなどが主な施策です。
・セントワークス株式会社
介護業界向けのシステム開発や、ワークライフバランスのコンサルティングをしている会社。職場における女性の活躍促進部門で認定されています。朝・夜メールやカエル会議など、(株)ワーク・ライフバランス社発の施策を実践しているところがポイントのようです。同様の施策で、平成25年には長時間労働削減部門で認定されています。介護業界向けの仕事をしながらワークライフバランスのコンサルもしているというのは面白いですね。
・株式会社トーリツ
葛飾区や江戸川区などで介護施設や訪問介護を行っている会社。職場における女性の活躍促進部門で認定されています。子連れ出勤、保育ルーム、中抜け制度、妊娠中の職種転換など、介護の業界で多い女性従業員の定着支援のための施策を複合的に行っているのがポイント。平成25年には多様な勤務形態導入部門で認定を受けており、シフトを柔軟に組めたり、子育てや介護の状況に応じた勤務形態の調整など、やはり女性従業員が長く働けるような環境づくりが評価されたようです。
・株式会社プレスク
平成27年に休暇取得促進部門、平成25年に育児・介護休業制度充実部門で認定されているシステム開発の会社。病院向け医療システムや企業年金システムなどが得意分野のようです。1時間単位で有給休暇が取得できる柔軟な制度や、ワークライフバランスの社内研修会などを積極的に行っている点がポイント。コーポレートサイトのトップにも「ワークライフバランス」のメニューがあり、会社としてかなり力を入れていることがわかります。
おそらく、もう少しさかのぼってみれば、他にも複数回認定を受けている企業はあると思いますが、とりあえず過去5年だとこんな感じでした。
「働きやすさ」は人を採用する上で必須の要素になっていく
『マタハラ問題』を取り上げたときも書きましたが、労働人口が減っていくこれからの日本で人材採用をするのであれば、働き方の柔軟性を高めることは必須の要件になってきます。 IT、介護、保育など、すでに採用難になっている業界に働き方改革をPRしている会社が多いのはもっともなことです。
Sansanの調査によれば、オフィスワーカーへのアンケート回答で「働き方改革が必要」と回答したのは83.3%と多数を占めたいっぽう、そのうち何らかの施策を実行できていると回答したのは34.5%。「8割以上が必要性を感じているが、実際に実行できているのは三分の1」という状況になっています。
出典:クラウド名刺管理のSansan、 オフィスワーカーの「働き方改革に関する意識・実態調査」結果発表 〜働き方改革、成功の鍵は生産性向上〜
今は「柔軟な働き方ができる会社は先進的」という状況ですが、近い将来それが「まともな会社なら柔軟な働き方ができる」というくらいに、社会全体のレベルは上がっていくと思います。逆に言えば、働き方を変えられない企業には人が集まらず廃れていくでしょう。
危機感を持っている方は、今回の認定企業の施策を参考にしてみてはいかがでしょうか。今の会社の労働環境に満足しておらず転職を考えている方は、転職先のご参考に。
ちなみに、認定企業に保育園運営会社がいくつかあったので、同じく小規模認可保育所を運営しているフローレンスではどうかというと、保育園の保育スタッフで、残業時間の月平均7時間、定着率89.2%、育児休業取得率100%(男性含む!)などけっこうがんばっています。興味のある方は以下のサイトをご覧くださいませ。宣伝すみません(笑)
僕自身は保育園の運営を担当しているわけではないですが、保育業界のベストプラスティスのひとつとして、今後紹介していきたいなと思っています(フローレンスのサイトで、ですが)。
『マタハラ問題』と働き方改革
こんにちは。育休で料理もするようになり、張り切って作るのはよいのですが、娘(2歳9ヶ月)の食べ残し消費をいつも計算に入れ忘れじわじわ体重と体脂肪率が上昇傾向の橋本です。
育休関連でまた一冊本を読んでみました。「マタハラ」という言葉を世に広め、大きなムーブメントを作るきっかけのひとつになった『マタハラ問題』という本です。 マタハラって、今の少子高齢化社会の課題が凝縮したような社会問題です。
働く女性が妊娠・出産・育児を理由に退職を迫られたり、嫌がらせを受けたりする「マタニティハラスメント(マタハラ)」。労働局へのマタハラに関する相談は急増し、いまや働く女性の3人に1人がマタハラを経験していると言われている。本書は「NPO法人マタハラNet」代表による「マタハラ問題」の総括である。マタハラとは何なのか。その実態は、どのようなものなのか。当事者の生の声から問題を掘り下げる。(筑摩書房の紹介ページより)
ドン引きするマタハラの数々
読んでまず衝撃を受けるのは、著者の小酒部さんを始めとした、本書で語られるエピソードの数々。
産後の復職について難色を示され、社長からは「家に帰って奥さんと子どもがいないのは、旦那さんが嫌がるだろう。オレだったら嫌だ」「休んで、母親としての仕事をちゃんとしろ」とも言われた。担当業務の引き継ぎを強要され、結局担当していた業務を外された。
労働局雇用均等室に相談もした。そこで受け取ったパンフレットを看護師長に見せて、相談したら、「看護主任は妊娠したから辞めろと言ったわけじゃなく、頭に血が上ったんでしょう。労働局に訴えて、医院側に監査が入ったら、職員全員でこちらの主張を言って、あなたに不利益な証言をして、あなたを困らせてあげます。そんなことになったら、母体にも良くないから、よく考えなさい」と言われた。
夜勤を免除してもらえず、休憩なしの夜勤を続けた後に流産した。病院は「10週に満たない初期流産は遺伝子の問題だから」と良い、Oさんは流産した翌日もまた夜勤をさせられた。Oさんにとっては不妊治療してやっと授かった命だった。
などなど、信じられないようなハラスメント事例が次々と出てきます。電車で読んでいたら怒りのあまりひと駅乗り過ごすレベルです(実話)。女子差別撤廃条約の締結、男女雇用機会均等法の制定から30年以上経った21世紀の社会とは思えません。
何がマタハラの背景にあるのか?
マタハラが起こる背景として、本書では「性別役割分業の意識」と「長時間労働」の2つの要素が挙げられています。
経済先進国の日本で、未だにマタハラ問題がはびこる理由は大きく二つある。
一つは性別役割分業の意識。男性が外で働いて、家事・育児は女性が担ってという家庭における夫婦の責務や役割を明確に区別する考え方である。そして、もう一つが長時間労働。マタハラNetのデータ調査でも、「残業が当たり前で8時間以上の勤務が多い」が約38%、「深夜に及ぶ残業が多い働き方」が約6%と、合計約44%と長時間労働が横行している職場でマタハラが起こっていることがわかった。
この考察は、小酒部さんが代表を務めるマタハラNetが2015年に出したマタハラ白書(マタハラの被害にあった女性にアンケートをまとめたもの)の結果からきています。
マタハラの背景1:性別役割分業の意識
白書によれば、マタハラをしてきた相手として最も多いのは「直属の男性上司」が最も多く、被害を受けた女性の半分以上が挙げています。
(出典:マタハラ白書)
そして、マタハラが起きた理由として多く挙げられているのは、「上司・同僚の妊娠や子育てに対する理解のなさ」「上司・同僚の価値観の問題」など。
(出典:マタハラ白書)
ここで言う「上司・同僚の価値観の問題」の具体的な内容としては、推測になりますが、「子どもができたら女性は仕事をやめて子育てを優先すべきた」という考え方と思われます。本書を読むと、そういった言葉をかけられるマタハラエピソードが数多く載っています。
正直「とっくに21世紀なのにまだこれかよ」と思うのですが、実際にまだ世の中の意識としてそういった性役割分担の考え方は根強いです。内閣府の調査によれば、2016年の「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に対して、40%が「賛成」と考えているという結果が出ています。
内閣府男女共同参画社会に関する世論調査より筆者作成
マタハラの原因になる価値観も、こういった旧態依然とした社会の雰囲気が職場という環境で結実したものと言えるかもしれません。
マタハラの背景その2:長時間労働の影響
もうひとつの背景として挙げられているのが、長時間労働。マタハラ白書のアンケートでは、「マタハラを受けたときの労働時間はどうだったか?」という質問に対して、長時間労働の傾向である(「残業が当たり前で8時間以上の勤務が多い」「深夜に及ぶ残業が多い」合計)と答えた人の割合が44.1%とのことでした。
これだけだとちょっとわかりづらいので補足します。そもそも日本で長時間労働をしている人の割合がどれくらいかというと、2012年時点で、週49時間働いている(平均で1日2時間程度残業している)労働者の割合は、全体で22.7%、女性に限ると10.6%となっています。*1
マタハラ被害者のアンケート回答者の具体的な労働時間はわからないので、不正確なところもありますが、それにしても、長時間労働の割合が、日本の女性全体では10.6%、いっぽうマタハラを受けた女性は44.1%というのを見ると、労働時間の長さがマタハラの起こりやすさにつながっている可能性は高いと言えるでしょう。
マタハラは「働き方の違いに対する最初のハラスメント」
本書では、マタハラを「働き方の違いに対する最初のハラスメント」と呼んでいます。重いものが持てないなどできる仕事が変わる、また働く時間も短くなる。言い方を変えれば「残業ができるフルタイムの社員」と異なる働き方であることに対するハラスメントです。この「働き方の違い」は妊婦に限ったことではありません。時短勤務で働く社員が後ろ指をさされる、父親が育児にコミットすることをよしとしない(パタハラ)など、子育て中の親が働きづらい職場も、背景は共通しています。
しかし、働き方の違いは、これから、妊娠・出産・子育てに限った問題ではなくなっていきます。高齢者人口が増え、親の介護が理由で働き方を変えなければならない人が増えてくれば、マタハラをしていた当人が、働き方の違いに対してハラスメントを受けるという可能性もあります。誰もが「残業ができるフルタイムの社員」の地位をキープできるわけでないのです。
だからこそワークライフバランス施策が重要になってきます。本書では、労働人口が減っていく今後を見据えて、働き方改革を企業戦略として掲げるべきだと述べ、実際に社員の柔軟な働き方を実現しているいくつかの企業の例を紹介しています。
なお、小酒部さんが2016年11月に出版した二冊目の著書『ずっと働ける会社』では、社内の働き方改革を実現させ、かつ業績も伸びている11の企業の事例が紹介されています。「うちは零細中小企業だからそんな余裕はない」と思った方は、こういった事例を参考にしてみるのもよいのではないでしょうか。
ずっと働ける会社 マタハラなんて起きない先進企業はここがちがう!
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「働くこと」の価値とは
最後に、マタハラ問題解説とは少しずれますが。
本書で登場するマタハラ上司の1人は、妊娠がわかった女性に対してこのように言います。
妻が働くのは経済的にやっていけない夫婦の場合であって、君の場合はご主人が働いているのだからそうではないだろ。引き際は考えているのか?
男女性別役割の古い価値観がうかがえる発言ですが、もう少し踏み込んで考えると、「働くのは生計を立てるためであり、食べていけるなら働けなくてもよい」という発想が根底にあると言えます。
僕自身、あまりにひどいマタハラエピソードを読んで、「そんなに醜悪な環境なのであれば、仕事を辞めてしまえばよいのではないか」と思うこともありました。*2でもいっぽうで、本書に登場するマタハラ被害者の女性には「今の仕事にやりがいがあり、やり続けたい」と考えていた人も多いのです。単にお金を稼ぐために、給料のために働いているのではなく、働くことは生きることの一部であり、”より良い人生”のためにかけがえのないことであるーーそんな言葉にならない想いを感じた気がします。働くことの対価は、お金だけでなく、その人にとっての生きがいである。そんな視点を持つことが、これからの社会ではきっと重要になっていくでしょう。言葉にすると、あまりにあっさりして簡単なんですけどね。
目次
第1章 私のマタハラ体験―子育てサポート“くるみん”認定企業でマタハラに遭う(一度目の流産
あと2〜3年は、妊娠なんて考えなくていいんじゃないの? ほか)
第2章 「マタハラ問題」のすべて―マタハラ4類型から考える(マタハラとは何か
マタハラは感染力の高い伝染病 ほか)
第3章 こんなにある!マタハラの実態―実態調査から見えること(マタハラ白書―実態調査から何がわかるか
マタハラの加害者はだれか ほか)
第4章 私たちになにができるか―働き方のルールが変わる(日本の労働者には武器がない。唯一の武器は?
ハラスメント大国、日本! ほか)
第5章 マタハラ解決が日本を救う(契約社員だった私が「世界の勇気ある女性賞」を受賞する
マタハラNetの活動について ほか)
*1:出典:平成27年版厚生労働白書 - 人口減少社会を考える - |厚生労働省
*2:人材の流動性が高まり、転職しやすい社会になれば、人員流出でだんだんとブラック企業は淘汰されていくでしょう。マクロの視点では、それが望ましい姿だと思います。保育園に入園できず転職できないという問題はまた別にありますが……
パパ半育休生活レポその1:退院〜男児の洗礼、現在の働き方
こんにちは。なんだか雰囲気の固いブログ記事ばかり書いております橋本です。育休ブログなのに自分の育休の話があまり出てこないのもなんだかなという感じなので、定期的にまとめていきたいと思います。
実は、ライトな育児日記的なものは、LINEブログにつらつら書き連ねています。お暇がありましたら、ご笑覧くださいませ。
http://lineblog.me/yoshichiha/
■赤ちゃん育児状況
1月13日に第二子(男子です)が生まれました。普通分娩、会陰切開もなしということもあり比較的奥さんの身体の回復もはやく、4日後の1月17日にめでたく退院となりました。
まだお腹から出てきてそれほど経っていないこともあり、赤ちゃんはだいぶおとなしいです。今のところ母乳メイン、ミルクがサブという感じで授乳しています。幸いにも母乳はしっかり出るほうで、そのぶん胸の張りなどもあり、まずは母乳を飲ませる、となることが多く、そうすると飲ませているうちにうんちをして、おむつも取り替え……と、流れで赤ちゃんの世話は奥さんが主となっている感じです。もちろんミルクのときは僕があげたり、おむつ替えをすることもあります。
おむつ替えして驚くのは、「新生児ってお尻固いな〜」ということ。「赤ちゃん=ぷにぷに」というイメージが強いと思いますが、生後すぐはまだお肉が少なく、どちらかというと身体は骨ばっている感じです。ただ、肌はとても柔らかく、ほっぺなどは「ぷにっ」というより「ふわっ」としています。
そんなおむつ替えでは、男児ならではの「おしっこがぴゅっと飛ぶ」にちょくちょくやられています。肌着やベビー服がすべて濡れてしまうこともあり、洗濯物がだいぶ増えています。
また、出生届も無事に提出してきました。ちゃんと受理されました(そりゃそうだ)。これで日本国民の仲間入りです。
それからしれっとへその緒が取れました。奥さんがおむつ替えしているときにぽろり。決定的瞬間を見られなかったこと、ちょっと悔やまれます。
へその緒、産婦人科からもらった木箱に入れておいたのですが、上の子(2歳9ヶ月女児)がなにげなく「これなあに?」と取り出し、いきなり引きちぎろうとするという事案も。危ない危ない。それだけでなく、クーファンに入って寝ている赤ちゃんのそばを上の子が走り回るので、けっこうそわそわします。ていねいに声掛けをして、気をつけるようにしたいとは思いますが、ちょっと心配なので、何かよい策がないか考え中です。
まあ、上の子も赤ちゃんを可愛がってくれているので、それは何よりなのですが。
■仕事もしてます
今のところ、週2〜3日、数時間ずつ、在宅と出勤を組み合わせて仕事をしています。
具体的に、先週の状況で言うと、
1月16日:出勤(1時間半ほど)
1月17日:奥さん・赤ちゃん退院日。業務せず
1月18日:業務せず
1月19日:在宅勤務(3時間ほど)
1月20日:出勤(3時間ほど)
という具合です。やっている仕事としては、自社メディア関連の記事作成、報告資料作成のサポート、メール等チェックして全社・他事業部の状況をざっと把握……という感じです。赤ちゃんが午前中おとなしく寝ていることが多いので、仕事をする場合はその時間帯にすることが多いです。柔軟に仕事させてもらっているので、とても助かっています。
実際に育休しながら働いてみて
半育休(育休を取りつつ働く)で、育児休業給付金を受け取りつつ働けるのは、月に80時間までと決まっているので、これが時間の上限となります。*1
ひと月20営業日と考えると、1日4時間なので、フルに80時間働くとするとけっこうなボリュームです。僕の場合は持っているタスク的にそこまではいらないので、今の感じだと、週2〜3日、一回に2〜3時間程度、月合計でも30〜40時間くらいかなという見込み。これくらいであれば、家事にはフルコミットできますし、その上でまだ余裕があるので、赤ちゃんの寝ぐずりなど出てきても、奥さんとうまく負荷分散できるのでは、と思っています。
とにかく、半育休とはいえ、メインは育児休業なので、優先順位を間違えないようにしていかねばですね。また今後も状況レポートしていきたいと思います。
これから育休を取ろうと思っている方の参考になれば幸いです。
パパが出産予定日前から育休に入るメリットと、そのハードル【訂正・追記】
こんにちは。本格的に育休に入っている橋本です。
今のところ
家事:自分80%・奥さん20%
赤ちゃんの世話:自分20%・奥さん80%
上の子の世話:自分50%・奥さん50%
という感じでやっております。もう少し赤ちゃんのミルクとかおむつ替えとかもやりたい気持ちもあるのですが、おっぱいの張りを抜くために母乳にすることが多く、そうすると自然とおむつ交換のタイミングに奥さんが気づく……ということが多いです。まあ、それで困っているわけではないので、赤ちゃんの成長具合に応じて、柔軟にやっていければと。赤ちゃんかわいくて毎日クンカクンカしてます。
さて、自分としては比較的スムーズに育休に入れたと感じているのですが、ポイントだったのは、赤ちゃんが生まれる前に家事を引き継ぐ期間を設け、育休の生活リズムを作っておいたことではないかと思います。具体的には、予定日の3日前(土日を含めると5日前)からプレ育休に入り、家事の配分を自分に寄せて、上の子の送り迎えもやって……という感じで準備するという具合でした。
それが功を奏して(というほどのことでもないけど)、赤ちゃんが生まれたあとも家事や上の子の保育園関連を引き続き自分が担当し、奥さんは身体のケアと赤ちゃんの世話に集中するという体制を作ることができたわけなのですが、改めて振り返ると、予定日の前から休みに入っておいたことのメリットは他にもいくつかありました。こんな感じです。
- 家事やきょうだいの育児の引き継ぎ期間を作れる(前述の通り)
- 陣痛や破水など、出産の前のイベントに対応しやすくなる
- 出産前にふたりだけの落ち着いた時間を取れる
- そもそも予定日より前に生まれる可能性もある
少し補足します。
陣痛や破水など、出産の前のイベントに対応しやすくなる
出産の前には、ママの陣痛が始まったり、場合によっては破水(卵膜が破れて羊水が出てくる)したりと、お産の兆しであるイベントがあります。いつ起こるかはわかりません。朝ごはんを食べているときかもしれないし、夜中かもしれないし、日中パパが仕事に行っているときかもしれません。
当然、ママがひとりで対応するよりも、パパと一緒にいたほうが、入院グッズを確認したり、タクシーを呼んだりといったプロセスがスムーズに進むでしょう。特に、破水したときは、動くたびにママのお腹から羊水が出てきて(度合いは人によりますが)、自分の意志で止めたりすることはできません。そんなときパパがいればかなりママは助かると思います。
ちなみに超蛇足ですが、うちの奥さんの一人目の出産のときは、夕飯後に僕がおすすめしたマンガ、ジョジョの奇妙な冒険(第二部)を読んでトイレに行ったらおしるし(ちょっとした出血)があり、その後布団で横になったらブツッと音がしてジョバァーと破水したそうです(里帰り出産だったので僕はいなかったのですが)。最近上の子、静電気でビリっとくることが多いなと思っていたのですが、もしかしたら波紋?
出産前にふたりだけの落ち着いた時間を取れる
第二子以降の出産だと、出産直前でも上の子の世話でてんやわんやです。生まれてくる赤ちゃんの名前や、どんな子どもに育ってほしいかなど、ゆっくり話す時間もあまり取れません。
今回早めに休みに入ったことで、奥さんとゆっくり話す時間を取ったり、近所の気になっていたレストランに一緒に行ったりと、少しの間ですがゆったりと過ごすことができました。外食なんて赤ちゃんが生まれ、上の子もいたら、数カ月行けないかもしれないですからね……
また、出産が近づくと、赤ちゃんがお腹の下のほうに下りてきて、ママのお腹の張りはより強まったりするのですが(うちの場合は奥さんがよくそう言っていました)、そういったママの体調の変化を、長い時間一緒にいるとよく知ることができるし、出産に向けた不安や、そわそわした気持ちを共有できたのもよかったです。まあ、休みに入らなくても、寄り添い力の高いパパなら大丈夫かもしれませんし、そわそわしていたのは僕だけだったかもしれませんが。
そもそも予定日より前に生まれる可能性もある
地味に大きいのがこれです。おそらくどなたも、「予定日より早く生まれちゃって……」というママさんの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
とある病院のデータによると、実際に出産に至ったタイミングが妊娠期間のいつかというのは以下のようになっていたそうです。
37週……3.7%
38週……12.5%
39週……30.8%
40週……34.9%
41週……18.1%
出典:出産予定日に生まれる確率はどれくらい? [妊娠の基礎知識] All About*1
出産予定日は40週0日なので、それより前に生まれる赤ちゃんもけっこういるということですね。我が家の場合も、上の子は予定日の1週間前に生まれました。 予定日より早く生まれる可能性はそれなりにあるので、出産に備えパパが早めに休みに入る意味は大きいと思います。
しかし……育休制度上、男性は子どもが生まれてからしか休みに入れない【訂正あり。予定日から育休に入れます、が、給付金は別】
パパのプレ育休は、前述の通りメリットが多いのですが、現状の制度としてはちょっとだけやりづらいところがあります。それは、子どもが生まれる前の休みは育児休業期間にならないということです。
育児休業を取得できるのは、子どもが生まれたその日からと法律で決まっています。これは男女問わず同じなのですが、女性の場合、産前産後休業と連続になっているので、あまり意識しないことも多いと思います。しかし男性の場合、子どもが生まれたその日からしか育休を取ることができません。そのため、赤ちゃんが生まれる前の期間は育休ではなく普通の有給休暇(以下、有休)扱いになります。
特にネックになるのは、出産予定日より生まれるのがあとになるケース。そうすると、出生が1日遅れるごとに、1日ずつ有休を消化していくことに。
もちろん、有休に余裕があれば問題はないのですが、先に有休を多く使ってしまうと、今度は保育園に入園後、子どもが体調を崩したときなどに対応することが難しくなってきます。子育て世代にとって、有休はちょっとしたライフラインです。
2018/04/22訂正
こちら、誤りの指摘いただきました。男性の育児休業ですが、「子どもが生まれた日」ではなく、「出産予定日」から休業に入ることができるのだそうです。詳細は以下リンクから。大変失礼しました!
男性の育児休業はいつから取得できますか? : 大熊社労士の分かりやすい人事労務管理相談室
ただし!休みに入ることは予定日からできるものの、雇用保険から育児休業給付金が給付される対象になるのは、出産日から、なのだそうです。
収入のことを考えると、育児休業に入った状態で、有給休暇を使うということは難しいでしょう。そうなると、予定日から育休に入ったけど、まだ生まれていないから給付金対象期間にならない、という状態が発生する可能性があります。
なので、後から述べるように、配偶者出産休暇や慶弔休暇など、会社の休暇制度をうまく組み合わせることも、検討したほうがよいでしょう。
また、育児休業の開始予定日を、前倒しではなく後倒しする場合、勤め先がそれを認めてくれるかは確認が必要になるようです。なかなか面倒ですが、事前に丁寧にコミュニケーションをとっておくことが大事そうですね。
まず、休業開始日の繰上げについては、早産等の特別な事情が生じた場合、1回に限り、変更後の休業開始日の1週間前までに申し出ることで変更することができます。
また、休業終了日の繰下げについては、特に事情がなくても、1回に限り、休業終了日の1ヶ月前までに申し出ることで変更することができます。
一方、休業開始日の繰下げや、休業終了日の繰上げについては、法律上の規定はなく、事業主はそれらの希望があっても変更を認めなくてもよいことになっています。(もちろん、法律に定めがないだけであって、変更を認めることは問題ありません)
引用元:育児休業の開始日や終了日を、繰り上げたり繰り下げたりできるか
自分の場合:慶弔休暇が前倒しで取れた
そんな感じのことを、育休の書類確認などのついでに人事担当と話したところ「たしかにそれは困るね。ちょっと待ってね……」と。何かいい方法があるのかな?と思っていたら、しばらくして「うちの就業規則上、慶弔休暇(出産)の日付前倒しができるので、それを使って!」という素敵な情報が。そんなわけで、僕は1/10(火)から休みに入って、1/13(金)に第二子誕生だったのですが、
1/10:有休(実際には半日在宅勤務したので半休)
1/11:慶弔休暇
1/12:慶弔休暇
1/13〜:育児休業
という感じで、通常の有休を温存することができました。2日間慶弔休暇でカバーできたのはけっこう助かります。人事チームの皆さんにマジで感謝です。
この記事で言いたいこと
僕が育休に入るまでの経緯を長々と書いてきましたが、今回言いたいことはこんな感じです。
(1)これから育休を検討している男性へ
ぜひ、数日でよいので出産予定日より前に休みに入って、家事・育児の引き継ぎ環境を作ることをおすすめします。「赤ちゃんが生まれたらしばらく母子入院だから、その間にいろいろできるじゃん」という考えもなくはないですが、第二子以降の場合、入院とともにワンオペ育児期間にINするので、その前にゆとりを持って準備をしておいたほうがいいと思います。
その際に、前述したように、会社の休暇制度がどのようになっているかは、確認しておくとよいでしょう。会社によっては、慶弔休暇や、配偶者出産休暇といった、子どもが生まれたときに使える休暇がありますが、休みの取り方のルールも細かく規定されているので、「子どもが生まれた日以降にしか取れない」制度の場合もあります。事前に就業規則を見たり、人事と確認するのがよいと思います。
(2)企業の人事担当の方へ
慶弔休暇や配偶者出産休暇の取得の仕方について、育休に入る前につなげて取れるような就業規則にするようにしていただきたいです。鬼のように地味な話ですが、それによって男性社員は育休に120%コミットでき、復帰後の不安も減り、従業員満足度も上がると思います。ぜひ就業規則のご確認と、もし「生まれた後しか取れない」制度であれば、柔軟に取得できるように改正していただければと思います。そして社内広報して男性育休を盛り上げましょう。
さいごに
今回は、そもそも男性の育休がちゃんと運用される環境であるという前提の上で、よりよいパパ育休に、という話です。なので、男性の育休取得率が3%以下である現在の状況では、ぜいたくな悩みかもしれません。
というか正直、書きながら、時代を先取りしすぎて共感されなそうな気がビンビンしています。
でもですよ。そもそも、人生に数回しかない、自分の子どもが生まれるというビッグイベント。それくらいのぜいたくをしたっていいじゃないですか。会社だってそんなときくらい社員にやさしくしたらいいじゃないですか*2。いっそ育児・介護休業法改正で、育休を前倒しで取れるようになったっていいじゃないですか。トータルの期間が同じならいいじゃないですか。そんな風になったら、僕は嬉しい。
そんな雑なまとめで今回の記事を締めたいと思います。何卒何卒。
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たった2日ならワンオペ育児でもいけると思ってたけど地味に大変だった件
こんにちは。ようやく本当に育休期間に入りましたがさっそく昨日ぬるっと1時間半だけ出社してきた橋本です。
出産後、奥さんと第二子は数日間病院に入院しているので、自宅では上の子(2歳9ヶ月)と二人きり。いわゆるワンオペ育児状態です。
実家から奥さんのお母さんがヘルプに来てくれた日もあったので、ずっとではないのですが、ざっくり2日間くらいはワンオペでした。たった2日ではありましたが、普段の夫婦での家事・育児に比べてやはり大変さは増します。どういう点が大変だったか書いてみたいと思います。
思いつくところでは、以下の3点です。
- 父がだめなら母が、というオプションがない
- 子どもに呼ばれるという強制割り込みタスク
- 夜の遅れが朝につながるプレッシャー
父がだめなら母が、というオプションがない
山は越えたのですが、2歳の娘はまだまだイヤイヤ期。「お風呂入ろう」「ねんねしよう」という、次の行動に移るタイミングで、ちょいちょいイヤイヤが発動します。
いつもは、父が言ってだめなら母が別のアプローチ(たとえば「おもちゃと一緒にお風呂入ろう!」みたいな)で攻めるという感じで誘いをかけていたのですが、ワンオペだとそれができません。もちろん一人でもあの手この手を使って誘うというのはできるのですが、やはり声をかける人がかわるパターンに比べると効果が薄くなる気がします。何より、
「お風呂入ろう?」
「はいらない」
「じゃあ、アンパンマンのおもちゃ持って入ろう」
「はいらない!」
「じゃあ、別のおもちゃを持って・・・」
「はいらない!!」
「・・・」
みたいな感じで、2、3パターンやり方を変えても拒否されると、げっそりしてだんだん新しい誘い方を思いつかなくなってきちゃうんですよね。こういうとき、ひとりでなければ、いったん奥さんにバトンタッチするなどして、消耗した精神力を回復させられるのですが、ひとりだとそういうことができず、不毛な戦いに突入しがちです。
子どもに呼ばれるという強制割り込みタスク
我が家では、奥さんが入院する前から、一通りの家事・育児タスクについては(普段自分が担当でないものも)自分もできるようにしておきました。「やり方がわからない」「ゴミ袋の替えの場所がわからない」みたいなことはない状態だったので、ひとつひとつのタスクをこなすことは特に問題なかったのですが、やりづらかったのは、娘に呼ばれて家事がちょいちょい中断するということでした。
夕食を終えて、「よし、食器を洗おう」(食洗機欲しいのですが場所がなく置けません……)ということでお皿を洗い始めると、2、3枚洗ったところで「おとうさんもいっしょにやろ」と声がかかります。
「おとうさんもいっしょにやろ」
「お皿洗ってるからちょっとまっててね」
「・・・おとうさんもいっしょにやろ」
「ちょっとまっててね〜」
「いっしょにやろうよ〜」
「ちょっ」
「いっしょにやろ!」
まあ幸いにも、それで怒ってギャン泣き、というようなことはないのですが、待たせながらひとつの家事をやりきることができるときもあれば、できないときもあります。どうしても効率は落ちますし、「自分でやることをコントロールしている感」が得られないので普通より疲れます。(アンコントローラブルであることのストレスというのは育児全般だと思いますが)
最終兵器おかいつ(おかあさんといっしょ)録画解放という手段もありますが、それでも「おとうさん、みてみて〜」と声をかけられれば、さすがに無視するわけにはいきません。
「俺ってば家事全般できるし」というしたり顔でいましたが、その間奥さんが子どもと遊んでいてくれたからスムーズにできていたのだということを改めて実感しました。
夜の遅れが朝につながるプレッシャー
昨日は、保育園の帰りに病院に寄ったのですが、やはりお母さんと離れるのは寂しいようで、ぐずって予定より帰宅が遅れ、夕食も遅れ、お風呂も遅れ、就寝も遅れ……という感じでした。そうするとどうなるかというと、シンプルな話ですが、翌朝の起床が遅れます。朝食が遅れ、着替えが遅れ、保育園登園が遅れ……
幸い今は育休中で、朝の出勤がギリギリということもないので、クリティカルな問題にはなりませんが、「遅れている」という状態は常にストレスフルです。夜、良い具合に子どもを寝かしつけられないと、朝も「時間がない」「ああ、遅くなる……」という状態になることを想像してブルーになります。
夜の遅れも朝の遅れも自分ひとりに跳ね返ってくるというプレッシャーは地味に辛いです。
ではどうするか?
それぞれの問題についてどうするか、対応案をロジカルに考えてみるとこんな感じです。
父がだめなら母が、というオプションがない
→子どもの次の行動を促す誘い方のオプションを多数持つ。メモ帳などに書き付けておき、順に試す
子どもに呼ばれるという強制割り込みタスク
→家事をより細分化して捉え(食器洗いであれば、「洗い」「すすぎ」「拭く」に分けるとか)、その合間に対応する
夜の遅れが朝につながるプレッシャー
→ひとつひとつのイベント(夕食、お風呂、寝室への誘導……)の見積もり時間を多目にとり、早めに行動を起こす
こんな感じでできれば、ワンオペでも多少やりやすくなるかもしれません。また、ワンオペでなくでも応用できるかもしれないですね。
本当に大事なこと
・・・というロジカルな対応はひとつの考え方なのですが、本当はそれよりも、当たり前ではありますが「少しでもワンオペをなくす」というほうがずっと効果的です。
ワンオペの大変さは、前述のとおり「自分でコントロールできることが少なく感じられるのでストレスになる」ということ。5分でも10分でも、自分の時間が取れたり、家事をやるにしても家事だけに集中できる状態を作ることができれば、だいぶ気持ちは楽になると思います。実際にワンオペしてみて実感しました。
たった2日ではありましたが経験したワンオペ育児、夫婦それぞれ予定もいろいろあるので、ゼロにはできませんが、いろいろな手段を使って、なるべく減らすよう心がけたいと思います。
第二子が生まれました
タイトルのとおりですが、昨日1月13日、無事に第二子が生まれました!
2766gの男の子です。
ちょうど出産予定日どおりでした。前々日くらいまで、あまり兆候がなかったので、「いつごろになるのかな〜」と思っていたところ、ぴったり予定日に誕生。母子ともに元気でなによりです。
当日の流れはこんな感じでした。
5:30 微弱な陣痛。奥さん目をさます。
6:30 陣痛感覚は10分くらいだけれど、痛みがさほどでもないので、とりあえず病院に電話。「一応来てください、入院になるかどうかは診察結果しだいで」とのこと。
7:10 奥さん、歩いて病院へ(普通に歩けた)。上の子と自分はいつもどおり朝の身支度して、いつもの時間に保育園へ。
8:20 上の子の保育園送り後、病院へ。陣痛はあるものの、痛みはまだそれほどでもない。9時ごろにお医者さんの診察になるのでそれ次第とのこと。すぐ生まれる感じではなく、診察中は部屋にいられないので、とりあえず自宅に戻る。
11:30 6センチくらいに子宮口が開いてきたと奥さんから連絡。昼ごはんを食べてから家を出る。
12:20 再度病院に到着。奥さんはもう分娩室にいて、陣痛もけっこうつらそう。痛みがきたときに背中側から腰をぐっと押すという感じですごす。
12:50 陣痛が弱め(間隔が少し広い)とのことで、陣痛促進剤を使いますか?と先生から聞かれる。
・使わない場合は日付が変わるくらいまでかかるかも
・使ったらおそらく夕方くらいには生まれる
・使ったほうがお産のリスクは少ない
とのことで、「では使います」ということで承諾書にもサイン。
13:10 と、思いきや急に強めの陣痛が来る。改めて診察してみたところ、子宮口全開ということで、先生も来て、そのまま分娩に。
13:30 吸引(赤ちゃんの頭をバキューム的なもので引っ張る)も併用しつつ、いきんで、無事に出産。お腹から出てきたとたんに元気にオギャー!と泣く。
「陣痛弱めだから促進剤使おうか」と先生から提案されたとき、奥さんは「仕方ないけど、できれば使わずに生みたかった!」と思ったらしいのですが、そう思ったとたんにいい陣痛が来て、蓋を開けてみれば夕方どころかお昼に生まれる、という感じで、夫婦ともにびっくりしました。お母さんの気持ちをくんでくれる赤ちゃんだったということでしょうか。
ということで、奥さんはこれから数日間入院、その間家事育児はワンオペです。家事も育児も、ひとつひとつは一通りできるのですが、全部を1人でやるというのはあまり慣れていないので、初日の夜から、思っていたよりちょっと疲弊気味です(苦笑)。でもいい機会なので頑張ります。
そして奥さんと赤ちゃんが帰ってきたら本格的に育休。制度的には、子どもの出生日から育児休業を取得ということになっているので、ブログのタイトルも「半育休うぃる」から「半育休なう」に変更しました。
このブログにはなるべく(あくまでなるべくですが)実用的なことを書いて、もう少しつらつらとした育児日記などはLINEブログに書いていこうかなと思っていますので、お暇でしたらそちらもどうぞ(状況次第ではありますが……)。
とにかく、これからもどうぞよろしくお願いいたします。何卒何卒。
不妊治療のオプションとしての特別養子縁組と、血のつながりにかかわらず大切なこと。『産まなくても、育てられます』
こんにちは。育休的な休みに入ったものの、まだ生まれる気配なく、毎日ブログばかり書いている橋本です。苦笑です。
僕の働いているフローレンスというNPOでは、赤ちゃん縁組という事業を行っています。望まない妊娠などで、子どもを生んでも育てられないという女性と、子どもが欲しいけれど授からない夫婦をつなげ、特別養子縁組*1という制度で赤ちゃんを縁組するという取り組みです。
そんな赤ちゃん縁組を担当するメンバーが「とても良い」と言っていた本を読んでみました。『産まなくても、育てられます』という本です。
産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ (健康ライブラリー)
- 作者: 後藤絵里
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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血のつながらない子どもを特別養子縁組で迎え、わが子として育てている夫婦のほとんどが不妊治療の経験者です。つまり、「子どもがほしい」と考えたとき、不妊治療以外にも方法はあるのです。ただ、「養子を迎えたいと思うけれど、不安なことがある……」という人も多いでしょう。本書では、子どもを迎えた夫婦の体験談から特別養子縁組に必要な知識と手続きまで、「親」になるために知っておきたいことのすべてをまとめました。(Amazonの書籍紹介より)
目次は以下のとおり。
序章 つながる不妊治療と特別養子縁組
第1部 養子を迎えるということ ~「気持ちの壁」の乗り越え方
第1章 私たちが特別養子縁組を決断するまで
第2章 「親子」への道のり
第2部 特別養子縁組の基礎知識 ~「法的な壁」の乗り越え方
第3章 特別養子縁組のしくみ
第4章 特別養子縁組の申し立てから成立まで
特別養子縁組で子どもを迎えた8組の夫婦のエピソード(多くが不妊治療の経験者)から始まり、「真実告知」「試し行動」など、血のつながっていない子どもと「親子」の関係を作っていくための鍵となるイベントについて説明、最後に特別養子縁組という法制度の概要と、実際に子どもを迎えるプロセスを細かく紹介する……という内容です。
特別養子縁組に関連するこれまでの書籍だと、制度のあらましや背景にある社会問題など「制度より」のものと、養子を迎えた家族、あるいは望まぬ妊娠をした女性の物語を深掘りしていく「エピソードより」に分かれる感じだったのですが、『産まなくても、育てられます』(以下「本書」)は両内容がバランス良く、またエピソードから制度の詳細へという流れのおかげで、より「入りやすい」本になっています。
「出口の見えないトンネルの中にいるようだった」
前述の通り、本書のエピソードに登場する夫婦の多くは、長い不妊治療と、それでもなかなか子どもが授からないという苦しみを経験してきた方々です。その辛さは「出口の見えないトンネル」と表現されています。
子どもができない、できても流産を繰り返してしまうという体験をした女性たちは、しばしば、「あの頃は出口の見えないトンネルの中にいるようだった」という表現をします。
僕の友人にも、不妊治療を経て子どもを授かった夫婦が何組かいます。本書を読んで気になったので、実際に不妊治療で子どもを授かることができるのはどれくらいの割合なのか、調べてみました。
厚生労働省のサイトにあったグラフで、2006-2008年に不妊治療を開始したケースで出産に至った割合を年齢層別にまとめたものが以下です。
出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書(厚生労働省、2013年)
- 34歳以下だと、治療を9回行えば70%程度のケースで出産に至る
- 35-39歳だと、治療を10回行えば45%程度のケースで出産に至る
- 40歳以上だと、治療を10回行えば10%程度のケースで出産に至る
というデータになっています。*2単純にこれが「不妊治療の成功率」と言えるわけではありませんが、比較的近いデータかと思います。年齢や、当然個人差にもよりますが、不妊治療を重ねてもなかなか子どもが授からない人も一定数いるというのは確かでしょう。
不妊治療のオプションとしての特別養子縁組
そういった不妊治療で悩む夫婦に対して、本書では、プラスアルファの選択肢としての特別養子縁組の検討をすすめています。45歳で実際に養子を迎えた夫婦(ミサコさんとトオルさん)のエピソードに添えて、このように述べられています。
ミサコさんが強く言っていたのは、「結果的に自分で産むにせよ、養子を迎えるにせよ、子どもを持つための複数の選択肢を考えておくことが大事」だということです。
自分で産むことにこだわらなければ、子どもを持てる可能性は広がります。子どもがほしいけれど、なかなか授からない、という状況になった時点で、不妊治療以外の選択肢も頭に入れておくのがベスト。そうすれば、不妊治療に行き詰ったときに、すぐに別の選択肢に切り替えることだってできると、ミサコさんは反省も込めて、後輩たちに伝えているそうです。
もともと特別養子縁組という制度は、子どもの福祉のための制度。実の親に育ててもらうことのできない子どもを家庭環境で養育することで、子どもの福祉を守るというのが本来の趣旨です。ですが、晩婚化・晩産化が進む今の日本では、不妊に悩む夫婦を助けるための仕組みとしても、今後より重要になっていくでしょう。
法改正で特別養子縁組の支援が強化される
特別養子縁組を希望する夫婦の窓口となるのは、行政(児童相談所)や、フローレンスのような縁組を事業として行う団体です。このうち、児童相談所については、これまでは子どもの虐待対応などに追われ、特別養子縁組に取り組むことができないところも少なくありませんでした。
厚生労働省の調査では、2014年度に全国の児童相談所で特別養子縁組を前提に里親委託をした件数は282。平均すると、一つの児童相談所につき1.5件ということになります。もっとも多く養子縁組につなげていたのは大阪市の12件で、全体の4割強にあたる86の児童相談所では0件でした。
しかし、これが今後は改善される可能性があります。具体的には2016年の児童福祉法改正により、児童相談所の業務として、養子縁組に関する相談・支援が明確に位置づけられるようになりました。*3特別養子縁組を前提とした里親委託(養子縁組里親)も制度として整備され、行政の支援が強化される見込みです。
(2)特別養子縁組も育休の対象に
また、育児・介護休業法でもアップデートがありました(育休の話!)。特別養子縁組では、法律上の親子になるまでに、半年間の試験養育期間(正式には「監護期間」)があるのですが、その間は赤ちゃんは夫婦の同居人扱いなので、育児休業の対象ではありませんでした。
それが、ちょうど2017年1月から、特別養子縁組の監護期間や養子縁組里親でも、育児休業が取得できるようになったのです。*4血のつながりだけでない、多様な家族のかたちを支援するという国の姿勢のあらわれですね。
(3)民間団体の養子縁組あっせんに補助が出るように
また、行政ではなく、フローレンスのような民間の団体を介しての縁組についても、法律のサポートがつくようになります。民間団体での縁組は、国からの補助などがないため、縁組にかかる実費(ケースワーカーの人件費や、場合によっては生みの親の医療費など)を、赤ちゃんを迎える夫婦に負担してもらうことがほとんど。費用は、ケースによりますが、数十万から200万くらいまでかかることもあります。団体の事業運営(資金繰り)的にも大変でした。
これが新しい法律によって変わります。2016年に成立した特別養子縁組あっせん法案により、行政からの補助や研修の支援が行われることになりました。*5細かい補助の内容は定まっていないのではっきりとは言えませんが、これによって、団体の事業運営がやりやすくなりますし、子どもを迎える夫婦の負担も減る可能性が高いと思います。
特別養子縁組そのものが、より広まっていけば、今後もこのように法制度などでの支援の幅も広くなっていくでしょう。
血のつながりにかかわらず、大切なこと
我が家は、不妊に悩んだことはありませんが、第一子の誕生前、妊娠3ヶ月ごろに、奥さんの流産を経験しました。妊娠初期のことではありましたが、辛い経験でした。
僕はすでに子どもを生んで育てている夫婦にも、本書をぜひ読んでみてほしいと思っています。養子として迎えた子どもに出生の経緯を伝える「真実告知」についての説明で、本書ではこのように述べています。一番心に残っている部分です。(太字は筆者)
育て親が最初に子どもに伝えるべきことは、出生のディテールではなく、「あなたを産んではいない」けれど、「どれだけあなたを待ち望んでいたか」「わが家に来てくれて、どれだけうれしかったか」ということなのです。
これって、「養子だから」ではなく、すべての親子に言えることではないえしょうか。
お腹を痛めて産んだ子どもでも、養子として迎えた子どもでも、子どもを授かった嬉しさは同じ。「家族として、一緒に幸せに生きていきたい」という気持ちも同じです。
血がつながっているからこそ、愛情は「伝わるもの」として意識しないことも多いのではないかと思います。でも、愛情は「伝えていく」ことが大事ですよね。僕自身も、日々やんちゃをしている娘、これから生まれてくる息子に、「生まれてきてくれてありがとう、大好きだよ」と、ずっと言い続けていきたいと思います。
というわけで、子どもを産んで育てている方にも、オススメの本です。ぜひお読みください!
産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ (健康ライブラリー)
- 作者: 後藤絵里
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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実際に特別養子縁組で子どもを迎えた夫婦のエピソードをより詳しく知りたいという方は、こちらの本もおすすめです。著者のうさぎママさんのカジュアルであたたかい語り口が読みやすいです。
*1:養子縁組の制度には、育ての親と養子を法律上の実子とする特別養子縁組(子どもの福祉のための制度)と、戸籍にも「養子」として記載しして実親との関係も残る普通養子縁組(家を残すなどの目的)の2つがあります。ここでは前者の特別養子縁組に言及しています
*2:「XX歳で不妊治療を始めた人」といった切り口の変え方によって「不妊治療の成功率」は変わります。以下のような記事もあります。
40代前半の不妊治療成功率は「5割」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online