パパ半育休からの時短なう

育児休業を取りながら働く半育休の話を中心に、育休の制度や子育てについてつらつらと。

ライフ・ワーク・バランスフェスタ東京2017に参加してきたので、過去の認定企業を見てみた。転職するならここ?

こんにちは。赤ちゃんより上の子の寝相の悪さで寝不足気味な橋本です。

 

2017年2月8日に行われた、ライフ・ワーク・バランスフェスタ2017に参加してきました!

www.lwb-festa.metro.tokyo.jp

僕の働いているフローレンスには、働き方革命事業部という部署があります。人事や経理、システムといったバックオフィス業務とともに、制度づくりなどを通して働き方改革を進め、日本一働きがいのある組織を作る、ということをミッションにしている部署です。

けっこういろいろ面白い施策をやっているのですが、それはフローレンスのコーポレートサイトでぜひご覧くださいませ(宣伝すみません)。

働き方改革 | 認定NPO法人フローレンス | 新しいあたりまえを、すべての親子に。

 

この働き方革命、社内に閉じているだけじゃなくて発信していこう!ということで、今回のライフ・ワーク・バランスフェスタにフローレンスも出展。僕も、育休中ですが、面白そうなので仕事として参加してきました。働き方改革が叫ばれている時世というだけあって、今年は特に注目が集まっていたように思います。

フローレンスがどんな出展をしたのか……もお話したい気持ちはありますが、そちらはコーポレートでそのうち記事化されると思うので、今回は、ちょっと違った視点から。

東京都ライフ・ワーク・バランス認定企業

本フェスタでは、東京都がワークライフバランス推進のための施策を行っていると認定した企業(ライフ・ワーク・バランス認定企業)がブースの出展をしていました。

東京ライフ・ワーク・バランス認定企業 | 東京都いきいき職場推進事業 | TOKYOはたらくネット

認定企業は、「長時間労働削減取組部門」「休暇取得促進部門」「仕事と育児の両立推進部門」「仕事と介護の両立推進部門」「多様な勤務形態導入部門」「職場における女性の活躍部門」の6つの部門に分かれます。認定に応募し、「自分たちはこういう取り組みをしていますよ」というのを東京都にPRして、審査員がそれをチェックしてOKであればお墨付きが得られるという感じです。

今回は平成28年の認定企業がブース出展していました。個別の施策は認定企業一覧のページから見ていただくとして、今回は過去5年分の認定企業を振り返り、業種などがどんな感じなのか見てみました。

というわけで過去5年分の認定企業をまとめた表がこちらです。

年度 部門 企業 業種(大分類) 業種(小分類)
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント サービス 労務コンサル
株式会社ランクアップ 製造 化粧品
休暇取得促進 株式会社アオアクア 介護  
仕事と育児の両立推進 株式会社赤ちゃんとママ社 出版  
仕事と介護の両立推進 株式会社白川プロ 制作 番組制作
多様な勤務形態導入
アルス株式会社 IT パッケージ導入
エス・エー・エス株式会社 IT 自社サービス
ChatWork株式会社 IT 自社サービス
職場における女性の活躍促進
株式会社内野製作所 製造 精密機器
有限会社ケア・プランニング 介護  
セントワークス株式会社 介護  
多賀建設株式会社 建設 土木
株式会社トーリツ 介護  
長時間労働削減 住友重機械エンバイロメント株式会社 製造 インフラ系
休暇取得促進 株式会社プレスク IT パッケージ導入
仕事と育児の両立推進
株式会社グリフィン IT 受託開発
東神開発株式会社 不動産  
特定非営利活動法人ワーク・ライフ・バランス ラボ 保育 保育園運営
仕事と介護の両立推進 株式会社アソシエ・インターナショナル 保育 保育園運営
多様な勤務形態導入
クディラアンド・アソシエイト株式会社 サービス 翻訳
株式会社シュフリー サービス 会員特典代行
株式会社日建設計総合研究所 シンクタンク  
有功社シトー貿易株式会社 商社 紙器・段ボール
職場における女性の活躍促進
株式会社浅野製版所 制作 デザイン・広告
港シビル株式会社 建設 土木
長時間労働削減取組
株式会社ウィルド IT 受託開発
一般財団法人建設物価調査会 シンクタンク  
株式会社小林労務 サービス 労務コンサル
休暇取得促進 フコクしんらい生命保険株式会社 生命保険  
仕事と育児の両立推進
株式会社YUIDEA サービス PR
株式会社ジャンボコーポレーション 保育  
医療法人社団瑞心会杉並リハビリテーション病院 医療  
株式会社タニタハウジングウェア 製造 建築資材
仕事と介護の両立推進 有限会社すこやか 介護  
多様な勤務形態導入 株式会社阿部兄弟建築事務所 サービス 建築事務所
女性の活躍促進
株式会社アーク情報システム IT パッケージ導入・受託開発
プレゼンツコンサルティング株式会社 飲食 フランチャイズ
平成25年
長時間労働削減取組
サポート行政書士法人 サービス 行政書士
セントワークス株式会社 介護  
休暇取得促進
一般財団法人日本興亜スマイルキッズ 保育  
株式会社ネットラーニング サービス eラーニング
育児・介護休業制度充実
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント サービス 労務コンサル
株式会社wiwiw サービス 研修
沖電気防災株式会社 製造 防災設備
株式会社プレスク IT パッケージ導入
ミニメイド・サービス株式会社 サービス 家事代行
株式会社ランクアップ 製造 化粧品
多様な勤務形態導入
株式会社トーリツ 介護  
株式会社日本レーザー 商社 レーザー
長時間労働削減取組
学校法人川口学園 教育  
テラテクノロジー株式会社 IT 受託開発
休暇取得促進 アルス株式会社 IT パッケージ導入
育児・介護休業制度充実
サイボウズ株式会社 IT 自社サービス
株式会社テイルウィンドシステム IT 受託開発
医療法人柏堤会奥沢病院 医療  
株式会社マルヨシ 製造 バッグ
多様な勤務形態導入
大友不動産有限会社 不動産  
クラスメソッド株式会社 IT 受託開発
株式会社テレワークマネジメント サービス 業務コンサル

※業種は、僕が勝手にざっと事業内容を見て分類したものなので、間違っているところなどあったら教えてくださいませ……

まとめているうちに、業種別に見てみるとどんな感じなのかなと思ったので、グラフにしてみました。

 

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※円グラフの中の数字は企業数。同企業が複数回認定されているものもカウント。

一番多いのはIT(システム開発や自社サービスを作っている会社)でした。その次に多い分類は「サービス」としていますが、ここは労務コンサルや人材育成(研修)の会社などいろいろです。分類が雑ですみません……そしてその次に製造業、介護、それから保育と続きます。

ITは、転職市場でも求人倍率が高い、企業側から見ると人材難な業種です。DODAのレポートによると、2017年1月の求人倍率は6.12倍。1人の求職者に対して、6件ほどのオファーがある売り手市場*1です。同様に介護は3〜8倍、保育園の保育士さんも3倍弱*2。認定企業に人材難の業界が多いのは、働きやすさを高めていかないと、人を採用できないということのあらわれでしょう。

実際に、ブース出展されていたある認定企業さん(ITの会社)に、「認定企業になったことで採用に影響はありましたか?」と聞いてみたところ、「採用説明会に来る人の数がぐっと増えました」という回答がありました。

複数回認定を受けている企業もある

先ほどの表を見ていただくとわかりますが、複数回、ライフ・ワーク・バランス認定を受けている企業もいくつかあります(部門は変わっているようです)。それだけ働きやすさの向上に力を入れているということだと思うので、ちょっと紹介してみます。転職など考えている方は、こういった観点で企業を見てみるのもよいのではないでしょうか。

・株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント

メンタルヘルス分野のコンサルティングをしている会社。長時間労働削減部門で認定されています。昨年からストレスチェックが義務化され、仕事の受注量がぐっと増えつつも、業務効率化で長時間労働を削減してきた点が認定のポイントだったようです。平成25年には育児・介護休業制度充実部門でも認定されています。育児休業や時短などの柔軟な制度が評価されたもよう。

www.armg.jp

 

・株式会社ランクアップ

manara(マナラ)という化粧品を作っている化粧品メーカー。長時間労働削減部門で認定。仕事が早く終われば定時より30分前倒しで帰ってよいという制度が特徴的です。平成25年に育児・介護休業制度充実部門でも認定されていますが、6時間勤務で昼休憩なしなら14時30分に退社できる正社員など、働く時間を柔軟に調整できる制度があるようです。化粧品自体もおそらくママ層向けなのかもしれませんね。

www.manara.jp

・アルス株式会社

人事・給与管理系のバックオフィスシステムを開発している情報システムの会社。多様な勤務形態導入部門で認定されています。1日の勤務時間のうち一部を社外で勤務できる「モバイル勤務」や、在宅勤務などの制度がポイントとのこと。平成24年には休暇取得促進部門でも認定されており、妊娠中の女性向けの「つわり休暇」や、法定より多めの有給休暇制度、休暇を取りやすい雰囲気作りなどが主な施策です。

ARS アルス株式会社

・セントワークス株式会社

介護業界向けのシステム開発や、ワークライフバランスコンサルティングをしている会社。職場における女性の活躍促進部門で認定されています。朝・夜メールやカエル会議など、(株)ワーク・ライフバランス社発の施策を実践しているところがポイントのようです。同様の施策で、平成25年には長時間労働削減部門で認定されています。介護業界向けの仕事をしながらワークライフバランスのコンサルもしているというのは面白いですね。

www.saint-works.com

・株式会社トーリツ

葛飾区や江戸川区などで介護施設訪問介護を行っている会社。職場における女性の活躍促進部門で認定されています。子連れ出勤、保育ルーム、中抜け制度、妊娠中の職種転換など、介護の業界で多い女性従業員の定着支援のための施策を複合的に行っているのがポイント。平成25年には多様な勤務形態導入部門で認定を受けており、シフトを柔軟に組めたり、子育てや介護の状況に応じた勤務形態の調整など、やはり女性従業員が長く働けるような環境づくりが評価されたようです。

www.to-ritsu.co.jp

 

・株式会社プレスク

平成27年に休暇取得促進部門、平成25年に育児・介護休業制度充実部門で認定されているシステム開発の会社。病院向け医療システムや企業年金システムなどが得意分野のようです。1時間単位で有給休暇が取得できる柔軟な制度や、ワークライフバランスの社内研修会などを積極的に行っている点がポイント。コーポレートサイトのトップにも「ワークライフバランス」のメニューがあり、会社としてかなり力を入れていることがわかります。

www.presq.co.jp

 

おそらく、もう少しさかのぼってみれば、他にも複数回認定を受けている企業はあると思いますが、とりあえず過去5年だとこんな感じでした。

「働きやすさ」は人を採用する上で必須の要素になっていく

『マタハラ問題』を取り上げたときも書きましたが、労働人口が減っていくこれからの日本で人材採用をするのであれば、働き方の柔軟性を高めることは必須の要件になってきます。 IT、介護、保育など、すでに採用難になっている業界に働き方改革をPRしている会社が多いのはもっともなことです。

Sansanの調査によれば、オフィスワーカーへのアンケート回答で「働き方改革が必要」と回答したのは83.3%と多数を占めたいっぽう、そのうち何らかの施策を実行できていると回答したのは34.5%。「8割以上が必要性を感じているが、実際に実行できているのは三分の1」という状況になっています。

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出典:クラウド名刺管理のSansan、 オフィスワーカーの「働き方改革に関する意識・実態調査」結果発表 〜働き方改革、成功の鍵は生産性向上〜

今は「柔軟な働き方ができる会社は先進的」という状況ですが、近い将来それが「まともな会社なら柔軟な働き方ができる」というくらいに、社会全体のレベルは上がっていくと思います。逆に言えば、働き方を変えられない企業には人が集まらず廃れていくでしょう。

危機感を持っている方は、今回の認定企業の施策を参考にしてみてはいかがでしょうか。今の会社の労働環境に満足しておらず転職を考えている方は、転職先のご参考に。

 

ちなみに、認定企業に保育園運営会社がいくつかあったので、同じく小規模認可保育所を運営しているフローレンスではどうかというと、保育園の保育スタッフで、残業時間の月平均7時間、定着率89.2%、育児休業取得率100%(男性含む!)などけっこうがんばっています。興味のある方は以下のサイトをご覧くださいませ。宣伝すみません(笑)

recruit.ouchi-hoikuen.jp

僕自身は保育園の運営を担当しているわけではないですが、保育業界のベストプラスティスのひとつとして、今後紹介していきたいなと思っています(フローレンスのサイトで、ですが)。